ICT業界の構造変化は着実に押し寄せている。企業情報システムの在り方は「自社所有」から「サービス利用」に確実に移行し、クラウドやモバイル利用が更に進展していく。ICTベンダーはこれまでの実績やハードウエアよりも、いかにクラウドに強いかで選ばれるようになる。ユーザー企業が2020年に活躍していると思うICTベンダーは外資系企業が上位を独占―――。

 これらは、日経BPコンサルティングが2014年7月に実施した調査から明らかになった結果である。2020年にかけた企業ICTの変化を探るため、企業のシステム部門のほか経営・利用部門の勤務者を対象とした調査を実施した(調査概要は下部参照)。調査結果を基に、まずはユーザー企業がどこに向かい、ICTベンダーをどのように選ぼうとしているのかを紹介したい。

外部活用が2020年にかけた共通キーワード

 今回の調査では、企業のシステム担当者等に2020年のICT利用と情報システムの在り方を自由記述方式で答えてもらった。その回答内容を分類したところ、「外部委託、外部サービス等の利用」「モバイル活用」「クラウド化」の3要素を挙げる人が多かった(図1)。

図1●2020年のICT利用や情報システムの在り方
図1●2020年のICT利用や情報システムの在り方
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 最も多かったのは外部委託、外部サービス等の利用である。「2020年は全面的な外部委託が必要」「外部サービスを積極利用したい」といったコメントが相次いだ。ユーザー自らが情報システムを所有・構築・運用するのではなく、ベンダーのサービスをより多く利用したいという意識である。