ドイツ・ベルリンで2014年9月5日から10日まで、国際コンシューマー・エレクトロニクスショー「IFA 2014」が開催された(写真1)。年末商戦をにらんだタイミングということもあり、近年は各社ともにその年の新技術を採用した大型製品を投入する傾向にある。

写真1●IFA 2014の会場であるメッセ・ベルリン(ベルリン国際見本市会場)
写真1●IFA 2014の会場であるメッセ・ベルリン(ベルリン国際見本市会場)
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 一方、9月9日(米国時間)には、米アップルが新製品発表イベントを、今年もIFAの開催期間にぶつかる日程で開催。「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」(9月19日に発売)、2015年に発売する「Apple Watch」を発表した。アップルが打ち出す新機軸に、大型スマートフォンやスマートウォッチで先行するサムスンやソニーなどがどのように対抗していくのかも、見どころとなった。

 特集の第1回となる今回は、IFA 2014の展⽰を中⼼に、スマートフォンなどのデバイスを活⽤するプラットフォームに各社がどのような違いを打ち出したかを振り返ってみたい。

IFAにおけるサムスンの存在感がさらに上昇

 2014年のIFAで特筆すべき存在は、サムスンだろう。これまではモバイルやテレビ、白物家電などカテゴリーごとに分散していたブース展示を、別棟の「CityCube Berlin」に移転。展示エリアはもちろん、商談エリアやプレスルームなど、サムスンによるIFA出展を総合的に集約した建物となっていた(写真2)。

写真2●CityCube Berlinのサムスンブース
写真2●CityCube Berlinのサムスンブース
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 集約の効果として、来場者をCityCube Berlinへ誘導する導線が生まれた。例えば最寄り駅の一つ「Messe Sud」駅ではプラットフォームにサムスンのスタッフが立ち、IFAに向かう来場者をCityCube Berlinへと案内していた。1階には来場者登録用のカウンターを設け、来場者をスムーズにIFAに登録・入場できる仕組みを用意した。