MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する通信サービスで利用できる、「SIMロックフリー」のスマートフォンが続々登場している。2014年の前半までは、高速通信規格であるLTEに対応していないモデルが多かったが、6月からこの9月にかけてLTE対応のSIMロックフリー端末が相次いで登場した。今回の特集では、LTE対応モデルを中心に、この夏に発売されたSIMロックフリースマートフォンの新モデルをレビューする。

使い方によってはキャリアの新料金プランは「改悪」

 レビューの前に、MVNOやSIMロックフリーのスマートフォンが注目を浴びる理由を簡単にまとめておこう。

 今年の6月あたりから、NTTドコモの「カケホーダイ&パケあえる」をはじめとして、主要キャリア3社が新料金プランを打ち出した。これは、国内通話がかけ放題になる約3000円の基本料金に、2G/5G/8G/10Gバイトといったデータ通信容量のプランを組み合わせたものだ。家族でデータ通信容量を共有できたり、翌月に繰り越せたりするなど、各社で多少サービスに違いはあるものの、内容や課金のモデルはほぼ同じだ。

 従来主流だった料金プランは、割り引きを効かせた実質的な基本料金が1000円程度でデータ通信の上限が最大7Gバイト、通話料金は従量制だった。新プランでお薦めとされる従来と同程度の月額料金のプランを選択すると、国内通話かけ放題の基本料金約3000円分があるため、高速データ通信の上限が従来より下がってしまう。月額料金を同等にするか抑えようとすると、それまで上限7Gバイトだったのが5Gバイトや3Gバイトあたりに減るのだ。

 昨今は、無料または安価に通話できるIP電話アプリや「LINE」のようなテキストベースのチャットが普及している。「スマートフォンはデータ通信がメイン。音声通話はそれほど使わない」という人にとって、新料金プランは「改悪」になる。