2014年6月、ウオールストリートジャーナル(WSJ)は、Googleが複数の衛星を活用してインターネットに接続が困難な地域へのネットワーク提供に約10億ドルを投資する予定であると報じた。(関連記事:Google、人工衛星使うネット接続プロジェクトに10億ドル超を投資)本稿では、報道内容を紹介するとともに、今回のGoogleの狙いを考察したい。

報道内容の概要

 WSJの記事を受けて、ネットメディアなどの他誌も同様の記事を一斉に配信した。各社が報じたところをまとめると以下の通りになる。

その目的について

Googleは2013年6月に、高高度に気球を浮かべることにより、まだインターネットに接続していない人々に対して安価にネットワーク接続を提供する「Project Loon」を発表した(関連記事:Googleが実験するProject Loon、携帯電話事業者と競合か協調か)が、今回も同様の目的であるとされている。新たに衛星に着目した理由としては、具体的な数値などに関しては不明だが、気球との通信速度の差であるといわれている。Googleは衛星を使用して、より高速なネットワークを提供することを想定しているようだ。

ただしビジネスモデルや料金といったことは明らかではない。

投資額について

Googleは衛星に対して10億ドルを費やす予定であると報じられているが、実際には10億~30億ドル程度の費用になるのではないかという報道がある。金額に関しては、最終的に運営される衛星の数にも依存するだろう。

打ち上げられる衛星の数や特徴について

WSJによると、想定されている衛星の数は180基程度で、打ち上げ高度に関しては、既存の他社衛星よりも低い軌道で運用されることが想定されている。このプロジェクトで採用される予定の衛星は約100kg程度の小型軽量のものになりそうだ。