「電子立国は、なぜ凋落したか」~アップルも鴻海も生み出せなかった日本。かつて世界を席巻した日本の電子産業。今や、それは夢まぼろしである。 そうなってしまった本当の原因は何か。多面的な視点で解き明かす。
電子立国は、なぜ凋落したか
目次
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安すぎると非難され、やがて高すぎて売れなくなる(下)
日本のDRAM産業の栄枯盛衰
「経営、戦略、コスト競争力で負けた」「技術では負けていなかった」。日本半導体産業の言い分は、この2点に集約されるという[湯之上、2009、40~41ページ]。そこには、技術とコストを別物とする考えがひそんでいる。マイクロンも韓国メーカーも、粗悪品を作ったのではない。市場が要求しないところを切り落と…
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安すぎると非難され、やがて高すぎて売れなくなる(上)
日本のDRAM産業の栄枯盛衰
本章では半導体メモリーの代表的存在、DRAMを扱う。DRAMはディーラムと発音する。Dynamic Random Access Memoryの略称である。日本製DRAMの世界市場におけるシェアは、1980年代に80%に達し、栄華を極める。盛者必衰。2014年、DRAMメーカーは日本には1社もない。
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鎖国のときは栄え、開国したら衰退(下)
市場のグローバル化で精彩を失った日本のパソコン
パソコン業界の水平分業、そしてその原点であるIBMシステム/360のモジュール化設計と互換性、これらをもたらしたおおもとは、プログラム内蔵方式そのものである。プログラム内蔵方式では、ハードウエアは汎用である(付録A参照)。システムを個性化し、付加価値を付けるのはソフトウエアだ。
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鎖国のときは栄え、開国したら衰退(上)
市場のグローバル化で精彩を失った日本のパソコン
この章では、日本のコンピュータ産業の栄枯盛衰を扱う。まずコンピュータ関連製品の生産動向と輸出入動向を確認しておこう。グラフの形は通信機器と似ていて、民生用電子機器には似ていない。
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100年ぶりの通信自由化がもたらしたもの(下)
「自由化」「モバイル」「インターネット」の大波に翻弄された通信市場
通信自由化によって、電話機も様変わりする。電電公社貸与の黒い機械ではなくなり、カラフルなデザインを施された小物家電となった。1987年にコードレス電話機の販売が自由化され、人気商品となる。この時期、1980年代後半には、固定電話機の生産が成長した。しかし1990年を過ぎると、たちまち減っていく。固…
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100年ぶりの通信自由化がもたらしたもの(上)
「自由化」「モバイル」「インターネット」の大波に翻弄された通信市場
1980年代半ばには、通信分野にも大きな変化があった。米国では1984年に米AT&T(American Telephone & Telegraph)が分割された。日本では1985年に日本電信電話公社(電電公社)が民営化され、関連グループに改組される。いずれも、通信サービス市場への自由競争導入が狙い…
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