日経情報ストラテジーは第2回データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤーに、日本航空の渋谷直正氏を選出した。月間2億ページビュー(PV)に達するウェブページを分析し、数々の成果を生み出した実績が評価された。CIO部門では、研究者の顔も持つがんこフードサービス(大阪市)の新村猛氏が選ばれた。
月間2億PVを誇る、日本航空(JAL)のサイト。膨大なアクセスログなどのデータを分析し、効果的な販促を企画するのがWeb販売部1to1マーケティンググループ。その中核を担うのが渋谷直正アシスタントマネジャーだ。
分析実務とチームマネジメントのキーパーソン

データサイエンティストとして分析を手掛けると同時に、チームメンバーの分析力を向上させるための教育体制も整備する。「ネット企業などではない“普通の会社”が、データを使いこなして成果を上げるために何をすべきか」を意識し、営業部門など現場と密接に連携する。第1回受賞者の大阪ガスの河本薫氏と同様、変革者でありながら、組織風土とのバランス感覚を持つデータサイエンティストだ。本稿ではその人となりを紹介していく。
大学時代は文学部で計量地理学を専攻した。文学部とはいえ、カリキュラムは実験や調査が目白押し。そのなかで統計学も身に付けた。大学院では航空路線のネットワーク分析を研究テーマに設定。それを仕事にも生かしたいと、2002年にJALに入社した。