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ITpro Report

スマホでますます身近になるヘルスケア、その未来像とは

小口正貴=スプール 2017/12/27 イノベーションICT研究所

 2017年を振り返ると、スマートフォン(スマホ)が日常生活に浸透し、ヘルスケアが今まで以上に身近になるようなサービスが続々と登場した。生命保険会社が、健康増進につながるアプリのコンテンツを拡充したり、服薬相談のために薬剤師とつながるアプリが登場したりといった動きだ。「人生100年時代」が各所で語られ、社会への負担が少ない状態で生活できる「健康寿命」に注目が集まったことが背景にある。

 2017年11月21日に東京・丸の内の「Startup Hub Tokyo」で開催された、スマホがもたらす未来を考えるシリーズイベント「Smartphone and Beyond 2017 vol.3」も、スマホの浸透とともにヘルスケアがさらに身近になったと感じさせるものだった。

 2017年の第3回となる今回のテーマは「ヘルスケア」。ゲストスピーカーにアルム代表取締役社長の坂野哲平氏、ニューロスペース代表取締役社長の小林孝徳氏、FiNC 技術開発本部兼ライフサイエンス部データサイエンティストの宮崎亜紀子氏を迎え、前半がゲストによるサービス内容スピーチ、後半が会場からの質問に答えるパネルディスカッションの流れで進行した。モデレーターはFilamentの角勝氏、日経BP総研イノベーションICT研究所 菊池隆裕氏が担当した。

Smartphone and Beyond 2017 vol.3の様子
モデレーターを務めたのはFilamentの角氏、日経BPイノベーションICT研究所の菊池氏。(写真:小口 正貴、以下同じ)
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 最初に登壇したアルムの坂野氏は、同社の主力事業である「Join」を中心に解説した。Joinは単体のソフトウエアとして日本で初めて保険適用を受けたアプリで、医療機関向けのチャットツールである。

 坂野氏によればJoinは「医者向けのLINE」。病院内のシステムと連携することが大きな特徴で、医師同士の業務コミュニケーションをはじめ、CTやMRIといった医用画像、心電図、治療室のモニター映像など専門的かつ高度な内容の閲覧・共有がJoinの中で済んでしまう。

 医療現場では未だにPHSが医療関係者のコミュニケーションツールとして使われている。そこで「PHSを使って口頭で話すより、スマホアプリで可視化したほうが良質なコミュニケーションができる」(坂野氏)と思い立ったのがきっかけだ。クラウドを利用しているため、院外からの確認も可能。例えば院内に専門医がいないときに、院外にいる医師からの知見を聞くことができるため、診断のスピード向上につながる。

アルムの坂野氏
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 保険適用を受けるため、「Joinを導入することで、どれだけ医師の臨床が効率的になるのか、医療経済上どれだけの効果が見込めるのか――いろいろな病院に協力してもらいながら行政に対してアピールを重ねた」と坂野氏は言う。海外進出も積極的で、米国、ドイツ、ブラジル、チリなど6つの国・地域で展開中だ。

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