前回に続いて、ITスキル研究フォーラム(iSRF)が国内で就業するITエンジニア7218人を対象に実施した調査結果を紹介する。今回は将来のキャリアと仕事のやりがいに焦点を当てる。キャリアについてはコンサルタントの独立志向が強く、40代から安定志向に入った。やりがいに関しては、9割が特に不満を抱いていないと答えた。

 エンジニアの実態を把握するために、調査では「将来のキャリア」や「現在の仕事のやりがい」といった意識について尋ねている。今回は新たにエンジニアの「活動領域」や「なりたい職種」のイメージについても調べた。これらの項目について回答した3191人のエンジニアの動向を見ていこう。

 まず、将来のキャリアに対する考えを尋ねた。職種別に見た図4では、回答数は少ないもののコンサルタントの独立、転職意識が相変わらず高い。

図4●将来のキャリアに対する考え(職種別)
図4●将来のキャリアに対する考え(職種別)
独立志向が強いのはコンサルタント
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 67.8%が「今の仕事で築いたノウハウや人脈を生かして、独立開業したい」(10.7%)または「今の仕事でステップアップしていきたい。別の会社に移ることも視野に入れている」(57.1%)と答えた。有効回答数が得られた職種の中で、これらの選択肢を選んだ割合が半数を超えたのはコンサルタントのみである。

 他の職種では顕著な傾向は見られなかったが、実際にシステムやアプリケーションを作る工程に携わっているアプリケーションスペシャリストやソフトウェアデベロップメントでは、「今の会社の中で、ITエンジニア(今の仕事)としてステップアップしていきたい」との回答が最も多かった(それぞれ37.7%、43.8%)。