今回から3回にわたり、ITスキル研究フォーラム(iSRF)が国内で就業するITエンジニア7218人を対象に実施した調査結果を紹介する。今回は平均年収を見ていく。平均年収は468万円、最も高い職種はコンサルタントといった傾向に加えて、いわゆる管理職の平均年収が減少傾向にある実態が浮かび上がった。

 平均年収は468万円。9割が「仕事への不満はない」と感じ、これから目指したい職種イメージは「ビジネスクリエーター」──。

 IT人材のスキルキャリアを研究するNPO法人「ITスキル研究フォーラム(iSRF)」は、国内で就業するITエンジニア7218人を対象に調査を実施した(調査概要)。調査結果から冒頭に示す傾向が浮かび上がった。

 調査では、経済産業省が作成した「ITスキル標準(ITSS)」に基づいて、IT人材の職種やスキルレベルを分類した。職種として、「ITアーキテクト」「プロジェクトマネジメント」「アプリケーションスペシャリスト」といったITSSにある11職種に加え、「品質保証」「クラウド」を独自に加えた。クラウドは、クラウドサービスのインフラ(IaaS)、プラットフォーム(PaaS)、アプリケーション(SaaS)を横断的に捉え、ビジネスとしてのクラウドコンピューティング提供において全体を俯瞰する立場の人材を指す。

 スキルレベルは、ITSSで定めるレベル1から7と「未経験レベル」の8段階とした。レベル7に近づくほど、プロフェッショナルとしてのスキルが高いとされる。未経験レベルは、レベル1(最低限必要な基礎知識を有する)に達していないという位置づけである。