国産ベンダーによるSDNに関する発表が、2014年5月に相次いだ。OpenFlow規格の製品をいち早く投入したNECはソリューションを強化。富士通と日立製作所は他社との協業戦略を打ち出した。

 グローバルに目を転じれば、標準化の動きが活発化し、国産ベンダーへの影響は必至。国産ベンダーのSDNに関わる動きを整理した。後編は日立製作所とNECの動きと標準化について整理する。


日立は他社技術を活用

 日立製作所は、「他社技術を活用したソリューション重視」の姿勢を取る。同社は、2013年10月にデータセンター向けの仮想ネットワーク基盤ソフトウエア「Virtual Network Platform for Data Center(VNP-DC)」を発表したり、グループ会社の日立金属がOpenFlow 1.3に準拠したスイッチ「APRESIA」を販売したりしているものの、SDNに関する製品発表はそれほど多くない。

 この理由について、日立製作所 情報・通信システム社 通信ネットワーク事業部 TMS本部 NFV/SDNプロジェクト 副リーダの山根健一氏は、「ソリューションベンダーとしての側面が強いから」と説明する。「VNP-DCのように、ネットワーク制御の核となる製品は自社で用意するが、その先につながるネットワークは、他社のものでも有用なものは採用していく方針」と話す。現時点では、積極的に自社製品を拡充していく予定はないという。