大手企業向けERPを中心とするソフト製品をベンダーの半額で保守──。「第三者保守サービス」の先駆けとなったリミニストリートが、保守に悩む企業の注目を集めている。だが、製品の保守を開発ベンダー以外に任せて本当に大丈夫なのか。第三者保守サービスに切り替えた2社の事例から導入の勘所を探る。
「これまで年間数千万円の保守費用を支払ってきたが、保守対応を受けたのは年に1、2回。それでも言われるがまま支払うしかなかった」。こう語るのは、プリント基板を製造する日本シイエムケイ(CMK)情報システム部の高橋泰彦部長である。
日本CMKは1999年から15年間、SAPジャパンのERP(統合基幹業務システム)製品の会計、生産、販売、購買モジュールを利用している。その間、SAP R/3 4.0Bから同4.6Cへ、さらに現行のSAP ERP 6.0へと、バージョンアップを2回実施。これも同社の希望ではなく「ベンダーに強要された」(高橋部長)からだという。
日本オラクルのERP製品「Oracle E-Business Suite(EBS)12.0.6」(会計、購買、プロジェクト管理)を2008年から利用しているIT企業のシーエーシー(CAC)経営企画部の齋藤学 情報システムグループ長も「製品には満足しているが保守費用が高すぎる」と不満を漏らす。バージョンアップについても「製品に多くのカスタマイズを施しており、できれば避けたかった」(同)。