2016年10月25日、米アップルのモバイル決済「Apple Pay」が日本国内で始まった。目玉になる「Suica」対応では、サービス開始初日に多数のユーザーが殺到し、モバイルSuicaで障害が発生したことからも注目の高さがうかがえる(関連記事:iPhone 7のSuicaサービス開始の影響で、モバイルSuicaなどに障害が発生)(写真1)。
このApple Payについて、筆者も一通りの機能を試すことができたので、その体験をレポートしたい。
日本版Apple Payが始まるまで
まずは日本でApple Payが始まるまでの経緯を簡単に振り返ってみよう。筆者が初めてApple Payを利用したのは、米国や英国に展開されていた2015年のこと。ハワイの銀行で預金口座とデビットカードを作り、iPhone 6に登録して海外出張などに活用している。
Apple Payという名前からはアップル独自の決済サービスを連想させるが、実際には既存のクレジットカードやデビットカードをiPhoneに登録することで、便利でセキュアなものにするサービス、というイメージだ。
具体的には、カード番号をスキミングなどで盗まれる心配がなく、サインやPINコードの代わりにiPhoneの「Touch ID」による指紋認証を本人確認として利用できる。クレジットカードを何枚も持ち歩く必要がなくなり、財布がスリムになるのもメリットだ。
こうした決済システムに地域ごとの差が大きい。このため、中国や日本での導入時にはしっかりローカライズされている。日本におけるApple Payは、iPhone 7とApple Watch Series 2に搭載された「FeliCa」を利用できるのが最大の特徴だ。
ただし、iPhone 7以外のデバイスでもApple Payの一部機能は利用できる。詳細な対応デバイスはアップルがWebサイト(https://support.apple.com/ja-jp/KM207105)で公開しているが、FeliCaを搭載しないiPhone SEや6、6sは店頭決済には利用できない。iOSのアプリ内決済やSafariによるWebサイトでの決済など、オンライン決済に限ってApple Payを利用できる(写真2)。
FeliCaはApple Watch Series 2にも搭載されており、iPhone 6sと組み合わせて使うことができる。必ずしもiPhone 7を持っていなくともApple Payは利用できる、という点は覚えておきたい。
キャリアやSIMカードにも依存しないようだ。筆者はSIMロックフリーのiPhone 7に、FREETELのSIMカードを入れているが、問題なく利用できている。
手持ちのクレジットカードを登録してみよう
前置きが長くなったが、米国時間で10月24日から提供開始された「iOS 10.1」にアップデートすることで、日本版Apple Payを利用できる。まずは「ウォレット」アプリにクレジットカードを登録してみよう。