韓国サムスン電子が2016年9月21日にソウル市で開催した自社イベント「SSD Global Summit 2016」では、「960 PRO」と「960 EVO」の発表の前に、SSDの市場動向や技術トレンドなどを紹介する二つの講演が行われた。今回はその内容をレポートする。
急速な成長を遂げたSSD市場
最初に登壇したWillow You氏(Branded Memory Product Marketing Group Leader)は、「The SSD Market Growth and Evolution」というタイトルで、世界のSSD市場の動向について講演した。同氏によれば、SSD市場は2012年から見ても約6倍という大きな成長を続けており、NANDフラッシュの用途の中でも最も成長。その成長の大きな鍵として容量単価の低下を挙げ、サムスンはTLC(トライ・レベル・セル)、3次元NANDフラッシュメモリー(V-NAND)といった技術革新でその容量単価をリードしてきたことを主張した。
エンタープライズストレージとしてもHDDからの置き換えが進んでおり、今後さらに大きな成長が期待されていると紹介。SSDは故障率、消費電力、フットプリント(HDDより小さなサイズで大容量を提供できる)の面でアドバンテージがあり、それらを加味した運用レベルのTCO(Total Cost of Ownership)では既にHDDより優れているとアピールした。同氏はさらに、インタフェースの高速化、記録密度の向上など、同社が技術面で業界をリードしてきたことを挙げ、これからも同様にリードしていきたいと述べた。