米アップルが2017年6月5日に開催した開発者向けイベント「WWDC 2017」の基調講演では、ノート型の「MacBook」シリーズの2017年モデルが発表された。10.5インチ版iPad Proの影に隠れる形になったが、その中でも12型のMacBookはCPU性能が向上し、キーボードの打ち心地も良くなるなど、使い勝手が大きく改善されている(写真1)。

写真1●2017年モデルのMacBook
写真1●2017年モデルのMacBook
(撮影:山口 健太、以下同じ)
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 今回、2017年モデルのMacBook(Core m3、8GBメモリー、256GB SSD、スペースグレイ色)を試用する機会を得た。2016年モデルとの違いを踏まえながら、ファーストインプレッションをお届けする。

第7世代Coreを搭載、オプションで16GBメモリーも

 2017年モデルのMacBookはCPUとして第7世代のCoreプロセッサー(コードネーム:Kaby Lake)を搭載した。プロセスルールは第6世代のSkylakeと同じ14nmでありながら、改良を加えたものになっている。

 特徴はクロック数が大きく向上したことだ。標準モデルの「Core m3」で比較すると、2016年モデルは1.1GHz駆動でTurbo Boost時に最大2.2GHzだったのに対し、2017年モデルは1.2GHz駆動でTurbo Boost時に最大3.0GHzとなった。ピーク性能が大きく底上げされており、Core m3でも十分なパフォーマンスを得られる可能性が高いといえる。

 なお、上位モデルのCPUはそれぞれCore m5/m7からCore i5/i7に変更されているが、これは米インテルの名称変更によるもので、中身はTDP 4.5WのYシリーズのままである。

 メモリーについては店頭モデルの搭載量は8GBだが、オプションで16GBを選択できるようになった。価格差は2万2000円(税別)で決して安いとはいえないものの、これまでMacBook Proにのみ提供されていた16GBを選べるようになったのは嬉しい点だ。

 ただ、筆者もMacBook Airを使っていたころは8GBに不足を感じていたが、2016年の新型MacBook Pro以降、8GBで十分と感じるようになってきた。SSDの性能が飛躍的に向上した結果、メモリーが不足した際にも、パフォーマンス低下を体感することが減っている印象だ。どうしても必要な場合にのみ、16GBを選択するとよいだろう。