4月14日21時過ぎから、熊本県を中心に何度も大きな揺れを記録した熊本地震は、広範囲の地域に甚大な被害をもたらした。

 通話サービスを提供するLINE は地震発生から2時間後、固定電話や携帯電話に発信する通話「LINE Out」の料金を10分まで無料にすると発表した(表1)。通話サービスViber でも、通話料金を無料にした。さらに、携帯電話事業者は無線LANサービスを九州全域で無料で使えるようにした。

表1●熊本地震発生に伴い、無料で提供された通話/無線LANのサービス
2016年4月14日に熊本地震が発生するとすぐに、複数の事業者が通話や無線LANのサービス を無料で提供した。
表1●熊本地震発生に伴い、無料で提供された通話/無線LANのサービス
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 こうした支援策は、固定電話を使えない、インターネットにつながらないなど、通信手段を失った被災者にとってありがたい。しかし無料化した通話サービスに対して、複数のメディアが輻輳を助長するとして、「通信の常識を無視した社会貢献」などと断じた

 LINE Out が実際に輻輳を引き起こすのか。固定電話の回線網である公衆交換電話網(以下、電話網)を運用するNTT東日本とNTT西日本に、熊本地震発生直後の電話網の状況と無料化が与える影響について聞いた。

▼通話料金を無料にした
Viberは、携帯電話への通話を時間に制限なく無料にした。固定電話への通話はもともと無料(期間限定だが、終了時期は未定)。
▼「通信の常識を無視した社会貢献」などと断じた
LINEの支援策を批判した記事のURLは、http://toyokeizai.net/articles/-/113928http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1604/15/news173.htmlなど。