マイクロソフトは、現行のWindows 10 バージョン1511(開発コード名はTH2)に対し、2016年夏に「Anniversary Update」を行うことを発表している。既にこのアップデートは、「RS1(Red Stone 1)」と呼ばれる開発コード名(ビルドに対するコード名)で知られていたもの。今回は、各種の情報や現行のWindows Insider Preview(以下WIPと略す)版などから、RS1の概要を解説する。

Windows 10のバージョンとOSビルド

 最初に、Windows 10のバージョンを整理しておく。最初のWindows 10(従来の言い方ではRTM)は、現在ではバージョン1507と呼ばれている。その後登場した2015年11月のアップデートは、バージョン1511と呼ばれる。これらは、それぞれ開発コード名としてTH1、TH2という名称を持つ。THは、「Threshold」の略と考えられている。これは、Windows 10開発時のコード名だった。

 なお、バージョン1511以降は、様々なアップデートをまとめたものが配布されている。それをインストールすると、小数点以下のバージョン番号が変化する。原稿を執筆している2016年4月時点では、「1511.218」となっている。こうしたアップデートの履歴は、以下のURLに記載がある(画面1)。日本語版もあるが、原稿執筆時点で最新版が反映されているのは英語版のみだ。

画面1●「Windows 10 update history」のページ。TH1からの主要なアップデート履歴に関する情報がある。日本語版もあるが、更新が遅れている
画面1●「Windows 10 update history」のページ。TH1からの主要なアップデート履歴に関する情報がある。日本語版もあるが、更新が遅れている
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 小数点以下のバージョンは、累積的なアップデートをインストールするタイミングで変化する。そのそれぞれに「OSビルド」と、対応する「KB番号」が対応する。前者は、開発時のビルド(個々に開発したモジュールやコンポーネントをまとめて最終製品のイメージを作ること)ごとに割り当てられる番号をベースにした表記だ。

 例えば、TH1は、10240というビルド番号を持ち、TH2は10586というビルド番号を持つ。OSビルドの表記が公式に行われたのはTH2からだ(画面2)。TH1では内部番号としては持っていたが「Winver.exe」などでは表示していなかった(画面3)。TH2のOSビルドは、アップデート直後は、10.10586.0(バージョン表記は1511)だったが、2015年11月10日のアップデートを適用すると10.10586.3(同1511.3)となった。

画面2●TH2からは、バージョン1511(OSビルド 10586.0)という表記が採用された。TH2の更新では、OSビルドの小数点以下の数が増えていく
画面2●TH2からは、バージョン1511(OSビルド 10586.0)という表記が採用された。TH2の更新では、OSビルドの小数点以下の数が増えていく
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画面3●TH1では、バージョンは10.0(ビルド 10240)という表記になっていた
画面3●TH1では、バージョンは10.0(ビルド 10240)という表記になっていた
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