米インテルは2016年3月31日(現地時間)、サーバー向けプロセッサの新モデル「Xeon E5-2600 v4」シリーズを発表した。PC向けには第5世代Coreプロセッサーとして展開していた「Broadwell」アーキテクチャーを採用した製品で、仮想環境での性能向上に効く改良を盛り込んだ点が特徴だ。Xeon E5-2600 v4の詳細について解説する。

Xeon E5 2600 v4シリーズのサンプル品
Xeon E5 2600 v4シリーズのサンプル品
(撮影:編集部)
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 Xeon E5-2600 v4は、PC向けには第5世代Coreとして展開されている「Broadwell」アーキテクチャーをベースにした、サーバー向けのデュアル対応のCPUだ。「Broadwell-EP」との開発コード名で呼ばれている。

 現在Xeonは、D、E3、E5、E7の4系列がある。E5は、ミドルレンジのサーバー用プロセッサで、最大2個のプロセッサを接続したシステムを構築できる。Xeon E5-2600 v4は最大で22コアを内蔵している。製造プロセスは14nmだ。インテルは、前世代のXeon E5 v3(開発コード名はHaswell-EP)と比較して1.27倍に高速化しながら、電力効率を上げたことで1W当たりの性能がHaswell-EPと比べて25%向上したとしている。

 新シリーズと旧シリーズは、名称での表記はv3とv4という違いしかなく紛らわしいため、本記事では、Xeon E5-2600 v4をBroadwell-EP、Xeon E5-2600 v3をHaswell-EPと表記する。

ダイは最大24コア、ラインアップ上は22コアが最上位

 ここでは現行製品だったHaswell-EPとの比較でハードウエア面の違いを説明していく(図1)。Broadwell-EPは、14nmプロセスで製造されている。Haswell-EPは、22nmプロセスで製造されていた。一般に製造プロセスが微細になると、同じ回路であれば、サイズが小さくなり、高速化や低消費電力化が期待できる。

図1●Broadwell-EPは、14nmで製造されるBroadwellマイクロアーキテクチャープロセッサのサーバー版だ
図1●Broadwell-EPは、14nmで製造されるBroadwellマイクロアーキテクチャープロセッサのサーバー版だ
(出所:米インテル)
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 インテルは、マイクロアーテキクチャーの変更と製造プロセスの変更を1年ごとに交互に実施していた。このため、Broadwellマイクロアーテキクチャーは、Haswellマイクロアーキテクチャーをベースにしている。基本的には同一のマイクロアーキテクチャーだが、インテルは微細化の際に再設計し、機能を追加したり、強化したりすることがある。