今回から3回にわたり、ITスキル研究フォーラム(iSRF)が国内で就業するITエンジニア1万3287人を対象に実施した調査結果を紹介する。今回は平均年収を見ていく。平均年収は500万円で、前回の468万円から32万円アップした。最も高い職種と低い職種では150万円以上の開きがある。

 大規模プロジェクトが相次ぎ、IT業界では人材不足が叫ばれる。現場で働くエンジニアの年収やキャリア志向、やりがいにどのような影響を与えているのか。最も年収が高いのは、どの職種・スキルレベルか。ITエンジニア1万3000人を対象に実施した調査から実態を探る。

 平均年収は前回に比べ30万円アップ。全体として独立志向は弱まっているが、40代の独立意欲が高まっている-。IT人材のスキルキャリアを研究するNPO法人「ITスキル研究フォーラム(iSRF)」が国内で就業するITエンジニア1万3287人を対象に実施した調査結果から、これらの傾向が分かった。

 調査では、経済産業省が策定した「ITスキル標準(ITSS)」の職種、専門分野に従ってIT人材を分類し、iSRFのスキルレベル診断により集計した。職種はITSSにある11職種に加え、「品質保証」「クラウド」を独自に加えた。クラウドは、クラウドサービスのインフラ(IaaS:インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)、プラットフォーム(PaaS:プラットフォーム・アズ・ア・サービス)、アプリケーション(SaaS:ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を横断的に捉え、ビジネスとしてのクラウドコンピューティングを提供する上で全体を俯瞰する立場の人材を指す。

 スキルレベルはITSSで定めるレベル1から7と「未経験レベル」で、レベル7に近づくほどプロフェッショナルとしてのスキルが高いとされる。「未経験レベル」はレベル1(最低限必要な基礎知識を有する)に達していないという位置づけである。