写真1●2015年12月下旬に開催された「イノベーション共創会議」
写真1●2015年12月下旬に開催された「イノベーション共創会議」
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 メガネ型をはじめとするウエアラブルコンピュータによる新規事業創出のシナリオは何か――。こんなテーマのイベントが、去る2015年12月21日に開かれた。「Smart eXperience Lab(SXLab)」が主催する、メガネ型情報端末を活用した新規事業のアイデアを創出する「イノベーション共創会議」だ。SXLabは、ソニーと日経BPがスマートデバイスの新しい用途開拓を目指して共同で推進しているバーチャルラボであり、今回のイベントは事業創造アクセラレーターであるゼロワンブースター、増田真樹氏が編集長を務めるメディアレーベル「TWEE」とのコラボレーション企画としての開催となった。

WSとメンタリングでアイデアを磨く

 今回のイノベーション共創会議の目的は、ソニーの透過式メガネ型端末「SmartEyeglass(以下、SEG)」を活用した新規事業について、簡易ワークショップとメンタリングを通じて、可能性を模索することだ。TWEEの増田氏がファシリテーターを務め、参加者は自ら発案した様々なアイデアについて、技術的なアドバイスをトーンコネクト 代表取締役CEO でSXLabの技術支援を担当する加畑健志氏から受けられる。また、実際の事業化に向けた課題の整理や実現の可能性については、ゼロワンブースターの共同代表 合田ジョージ氏、CIOの小西英世氏が随時、コメントをするという流れで進められた。

 イノベーション共創会議の冒頭、増田氏は「Apple Watchに代表されるようにウエアラブル端末の出荷台数が急増している」と指摘。「特に、仮想現実感(VR)分野では日本が世界をリードし、日本の新たなVRに世界中が注目している。エンタープライズ向けのVRへのニーズが今後、急速に高まるだろう。そこでイノベーションを起こせるのではないかと期待している」と挨拶した。増田氏は、このイノベーション共創会議について、「ペーパープロトタイピングからアイデアを共創し、2016年以降のSEGの応用展開について、何らかの方向を得られるようにすることがゴール」と、目的を示した。

 続けて、挨拶に立った日経BP イノベーションICT研究所 主任研究員の菊池隆裕氏は「SEGのようなプラットフォーム型ハードウエアが普及するには、コンテンツやアプリケーションが重要な要素になる。実際にSEGを手に取って、機能を体験して発想を広げて新しいアプリ開発につなげてもらいたい」と語った。

WebサイトをSEGに表示できるツールを活用

 今回のイノベーション共創会議は、前半と後半に分けられる。前半は、ソニーのUX・マーケティング本部 デジタルマーケティング戦略部門 マーケティング推進部 マーケティングインキューベーション課 マーケティングマネジャーの加藤圭一氏によるSEGの説明、そして、その応用展開を検討するための支援ツール「SegWeb」について、開発者である加畑氏が解説した。