2015年12月10日、東京都内にあるNTTドコモ・ベンチャーズのラウンジスペースで、シリーズイベント「5Gハッカソン」の「5Gアイデア発表審査会」が催された。5Gとは、2020年開始を目指している、新しい移動体通信規格である。現在主流となっているLTEに比べ、約100倍の高速通信が可能になると言われている。

 5Gハッカソンは、前半戦の「5Gアイデアコンテンスト」と後半戦の「5Gバーチャルハッカソン」から構成される。「5Gアイデアコンテンスト」としては、8月から11月までの3カ月にわたって、5Gの活用に関するアイデアソンなどを開いてきた。アイデアソンとは、「アイデア」と「マラソン」を組み合わせた造語で、特定のテーマについて、さまざまな背景を持つ多種多様なメンバーが集まってアイデアを出し合い、その場で議論を深めながら、ビジネスプランを考案する。これまで、「まちづくり」「IoT」「ローソン」と3つのテーマでのアイデアソンを開催してきた。

 5Gアイデア発表審査会では、それらのアイデアソンなどを通して創出されたアイデアから最終審査に残った8つのビジネスプランを立案者がプレゼンテーションし、投票によりグランプリ、準グランプリを選ぶ。そしてこの発表審査会をもって、前半戦の「5Gアイデアコンテスト」から後半戦の「5Gバーチャルハッカソン」へと切り替わる。

サービス、エコシステム先行で、5Gを進めていきたいという思いから始まった、5Gハッカソン

 移動体通信規格は、2G、3G、4G(LTE)と進化してきた。そして現在は、2020年の5Gサービス開始を目標に進んでいる。5Gアイデア発表審査会の冒頭では、NTTドコモ・ベンチャーズ 取締役副社長の秋元信行氏が、「3Gや4Gは、まず技術ありきで進めてきた。しかし5Gは、技術先行ではなく、サービスやエコシステムを中心で考えていきたい。そのために展開してきたのが、この5Gアイデアコンテストである」と、本イベントの開催目的を語った。

 続いて、NTTドコモ 先進技術研究所 5G推進室 室長 主席研究員の中村武宏氏が、5Gのテクノロジーの概要について解説した。5Gの特徴には、「大容量化」「高速通信」「低遅延化」「多数端末との接続」「低コスト&省消費電力」の5つが挙げられる。そして「すべてのものが無線でつながる」ことを想定し、これまで以上に広い範囲でワイヤレス通信が活用されることが期待されている。