高い完成度と「実質0円」などの割引施策で販売台数を伸ばし続けていたiPhoneだが、最新機種「6s」で一転、国内販売が25%減となり正念場に立たされている(東京都渋谷区のアップルストア表参道)
高い完成度と「実質0円」などの割引施策で販売台数を伸ばし続けていたiPhoneだが、最新機種「6s」で一転、国内販売が25%減となり正念場に立たされている(東京都渋谷区のアップルストア表参道)
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 国内スマートフォン(スマホ)市場が成長の踊り場を迎えている。一人勝ちだった米アップルですらも無縁ではない。2015年9月発売の最新モデル「iPhone 6s/6s Plus」は、前モデルと比べ25%減と急ブレーキ。旧機種を含めても2ケタ減に落ち込んだ。一部報道では「最新機種を3割減産」などとされ、変調もささやかれる。一体何が起こっているのか。

 「iPhone 6sは5万円相当のポイント還元、iPhone 6は一括0円に4万円相当のポイント還元です。このお値段で案内できるのは今だけですよ。お見逃しなく!」――。晴れ着姿の新成人も目立つ1月11日。3連休とあって、ある東京近郊の家電量販店は大勢の来店客でにぎわっていた。中でも携帯電話の契約カウンターには、久しぶりに順番待ちの列ができていた。

発売後3カ月の販売台数、旧機種より25.9%減

 「このところ大きな動きがなかったのでうれしい。ただいつまで持つか…」。大手通信キャリア関係者は危機感をあらわにする。無理もない。2015年秋に登場したiPhoneの最新機種「iPhone 6s」「同 6s Plus」が思ったように売れず、年末まで厳しい戦いを強いられていたからだ。一時的な盛り上がりだけで素直に喜ぶわけにはいかない。

 市場調査会社のBCN(東京都千代田区)の主要家電量販店を対象とした実売データ調査結果にもその様子が刻まれている。iPhone 6s/6s Plusの発売後3カ月(13週間)の販売台数は、2014年9月に発売した旧機種に比べて25.9%減。スマホ全体では販売台数が8.7%減で踏みとどまっており、iPhone 6s/6s Plusの不振が際立つ。