質問

 藤本さんが、CTOとして過去に悩んだこと、今でもずっと悩んでいることはありますでしょうか。

回答:「何をしないか」を悩み続けています

 回答本編に入る前に勝手ながらお知らせをさせていただきます。突然ではございますが、16回を数えました「エンジニアよろず相談室」は、今回を持ちまして連載終了となります。長らくのご愛顧・ご愛読ありがとうございました。次回作にご期待ください(あるかどうかわかりませんが...)。

 ということで、最終回はどんなテーマがいいかな、と悩んでいましたら編集部の担当者の方が「この質問はいかがでしょうか?」と提案してくださいました。「相談室」をうたいながら最後は筆者の悩みを書き連ねることにします。確かに趣がありますし、ということでちょっと筆者苦悩の歴史を振り返ってみようかな、と思います。ただスペース足りないので一つだけに絞ってみます。

 タイトルにも書きましたが、「CTOとして」ということになると、常に悩み続けているのはまさに「CTOとして何をすべきか」ということなのです。「何をしないか」で悩んでいると言い換えたほうが実態に近いです。そもそもいわゆるCEOやCTOなど「CxO」と呼ばれるrole(役割)にある人はほとんどの場合、「あれをやれ、これをやれ」と言われるよりも、自分は何をすべきか、チームのみんなには何をどうしてもらうのが一番よいのだろう、ということを延々と考えることになります。いや実際には、「あれをやれ」などと言われることも多いですが、そういった指示も含めて、自分とチームは何をすべきかを考えるわけです。さらには、メンターやコーチとなってくれる人がいないケースがほとんどですし 特に日本のソフトウエア業界、さらにその中でCTO(...だけではないかもしれませんが)は、それが顕著だと感じています。歴史や経験に学びながらなんとか最適な方法を考えていくしかない、という状況が多々ありまして、まさに悩みそのものです。