Android Wear搭載の腕時計を購入したが、届いたその日に壊れたり、頻繁にハングアップしたり――。自身の体験談を交えつつ、ブリリアントサービス 取締役の近藤 昭雄氏は、「Android Wearのインパクトとウエアラブルの未来」と題して「ウエアラブル・ジャパン2014 Summer」(2014年7月30~31日、東京・UDXカンファレンス)で講演した。

 近藤氏は、まず2014年3月19日に発表されたAndroid Wearのインパクトを強みと弱みに分けて解説。強みとしては、スマホ向けOSとして広く利用されているAndroidとほぼ同じなので、対応するアプリケーションやデバイスの開発が容易なことを強調。しかも、ユーザーの操作を予測して先回りした情報を表示するGoogle Nowというキラーコンテンツがすでにある。iOSのHomeKit/HealthKitのような整理がない「未開の荒野」状態なので、技術者魂に火を付けてくれる。

「Android WearにはキラーコンテンツのGoogle Nowがある」

ブリリアントサービス 取締役の近藤 昭雄氏
ブリリアントサービス 取締役の近藤 昭雄氏
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 一方の弱みは、現状では消費電力が大きく、6月に発売されたばかりの腕時計型端末は24時間持たない。OSのサイズは200Mバイト程度とスマホ向けAndroidの1/3程度にしか圧縮されておらず、フットプリントが大きい。Android端末との連携が必須なのに、対応端末(Android 4.3以上搭載機)の普及台数が少ないことなどを挙げた。

全身スーツ型かインプラント型か

 続いて近藤氏は、ウエアラブルの未来について言及。近未来像として、ウエアラブルによって入力方法が大きく変わることを指摘した。ユーザーはコンピュータにデータを入力する意識がないままコンピュータがデータを得るようになり、ビッグデータ解析がさらに重要な役割を果たすようになる。近藤氏の個人的な見解としながらも、ライフログのビッグデータ解析により人の寿命が延びるはず。「5年寿命が延びるのであれば、プライバシー問題よりも優先されるのではないか」という。

 さらにその先の未来では、映画「アイアンマン」のような全身をウエアラブル機器で覆うようなタイプや、人体に埋め込むインプラント型までが登場することを予測。人類のサイボーグ化が進み、アンドロイドとの戦いになるとSFのような話にまで及んで、講演を締めくくった。