IoT(Internet of Things)への取り組みを本格化する企業が日本でも増加しつつある。IoTの普及に向けたコンソーシアムも世界中で相次ぎ立ち上がっている。
一方で、IoTはバズワード(流行り言葉)であるとし、事業者(ベンダー)が期待をあおっているのでは、という見方も一部にみられる。
実際のところ、どの程度の日本企業がIoTに取り組んでいるのか。どんな分野で利用し、どのような課題を抱えているのだろうか。
こうした実態を第三者の立場から探るために、IDCは2015年5~6月に企業向けアンケート調査を実施した。以下、調査結果を基に、日本企業におけるIoT活用の実態を見ていくとともに、企業がIoTを有効に活用していく上で重要になるポイントについて解説する。
IoTは「M2MとITが合体したもの」
調査対象は全国の従業員100人以上の企業で、6906社から回答を得た。回答企業を18の産業分野に分類している(図1)。
今回の調査では、企業がIoTを利用しているかどうかを正確に把握するために、IDCが定義するIoTに合致するユーザー企業だけを「IoT利用企業」としてカウントしている。まず、IDCが定義するIoTとはどういうものかを明確にしよう。