「ビッグデータ」や「ビジネスアナリティクス」という言葉は、すでに多くのIT関連ビジネスを担う人々の間で知られるようになった。では、実際のビジネスへの活用は進んでいるのだろうか。IDCでは、ビッグデータのユーザー利用動向について調査した。

「毎年60%以上の成長率で生成されるデータ」は現実的

 ビッグデータと一口に言っても、その定義はベンダーによって異なる。IDCは、ビッグデータ/アナリティクス市場を以下のように定義している(図1

100テラバイト以上のデータ、またはハイスピードストリーミングをデータとして利用する、または年率60%以上のデータ量成長を見込むデータをソースとしたデータ分析を、フレキシブルなプラットフォーム上で行い、新たな発見や価値創造を行うシステムを構成するハードウエア/ソフトウエア/サービス

図1●IDCによるビッグデータ/アナリティクスの定義
図1●IDCによるビッグデータ/アナリティクスの定義
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 現在では、100テラバイトのデータを分析対象にするユーザー企業はまだ少ない。しかし、顧客の購買行動データやプラントオペレーションの監視データ、モバイルデバイスの位置情報データ、自動車のセンサーデータなど、取得できるテータの種類は多様化しつつある。

 この点を考えると、現在のデータ量は見かけ上、それほど大きくないとしても、蓄積するデータは爆発的に増加することが予測できる。分析すべきデータの量はここ数年で飛躍的に増加するとみられる。

 このような前提でビッグデータを捉えると、「毎年60%以上の成長率で生成されるデータ」はかなり現実的であると考えられる。現在進行しているデータアナリティクスは、ビッグデータのスコープに入ってくるといえる。