NECやTIS、東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)といったIT各社が、ASEANで相次ぎ新たなクラウド型ERP(統合基幹業務システム)を投入する()。「ERPを手軽に利用したい」という、日系企業の現地法人のニーズに応えることが狙いだ。

表●IT各社がASEAN地域向けに今後投入する主なクラウド型ERPサービス
クラウドでERP構築・運用負荷を軽減
表●IT各社がASEAN地域向けに今後投入する主なクラウド型ERPサービス
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 NECは2014年5月、「NEC GlobalLocalization Package for SAP Business ByDesign」を発売する。独SAPの中規模拠点向けクラウド型ERP「Business ByDesign」に、ASEAN各国の法制度や商習慣に対応する追加機能を実装したサービスで、最短3カ月で利用を開始できる。ASEANの主要6カ国に対応する。Business ByDesignは欧米を中心に世界17カ国で販売中だが、ASEAN地域では未発売。NECの佐藤博文SAPコンサルティンググループマネージャーは、「先行者利益を得られると判断した」と話す。

 中小企業向けERPパッケージの「Business One」はASEANでも既に販売されているが、「日本本社で利用するSAP ERPと連携させたいといった要望には、連携機能を持つBusiness ByDesignが向く」と、森川紅珠SAPコンサルティンググループエキスパートは説明する。NECによると、日本でSAP ERPを活用している企業は約1000社に上る。そうした顧客を中心に新規導入や更改案件を取り込み、3年間で50億円の売り上げを目指す。