2015年末、6億人超の巨大経済圏が誕生しようとしている。ASEAN経済共同体(AES)である。折からのチャイナプラスワンの流れもあり、日系企業のASEAN進出が加速しそうだ。
こうしたなか、ASEANの現地拠点向けに、クラウド型システムを構築・展開するユーザー企業が増えている。現地拠点に情報システムの構築や保守・運用の負担をかけないためだ。ITベンダーも、こうしたニーズに応えるクラウド型サービスの投入を進めている。ASEANにおけるクラウド活用の最前線をレポートする。
2015年末、6億人超の巨大経済圏が誕生しようとしている。ASEAN経済共同体(AES)である。折からのチャイナプラスワンの流れもあり、日系企業のASEAN進出が加速しそうだ。
こうしたなか、ASEANの現地拠点向けに、クラウド型システムを構築・展開するユーザー企業が増えている。現地拠点に情報システムの構築や保守・運用の負担をかけないためだ。ITベンダーも、こうしたニーズに応えるクラウド型サービスの投入を進めている。ASEANにおけるクラウド活用の最前線をレポートする。
「社会インフラの脆弱さや人材の不足を考慮して、クラウド環境を選択した」――。大和総研の伊藤慶昭クラウドサービス部長は、このように語る。同社は2014年5月29日、ミャンマー中央銀行の基幹系システムを稼働させるためのITインフラ及びシンクライアントシステムの構築プロジェクトを受注した。基幹系システム…
モンゴルで共同利用型サービス、インドネシアやタイでクラウド―。日本の大手システム構築(SI)会社が相次ぎ、アジアでのビジネス拡大に向けて新たな一手を打ち始めた。
NECやTIS、東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)といったIT各社が、ASEANで相次ぎ新たなクラウド型ERP(統合基幹業務システム)を投入する(表)。「ERPを手軽に利用したい」という、日系企業の現地法人のニーズに応えることが狙いだ。
「グローバル」、「リージョン」、「ローカル」という3階層で標準化に取り組むのは、トヨタも同じだ。現在、AP地域統括会社のトヨタモーターアジアパシフィックエンジニアリングアンドマニュファクチャリング(TMAPEM)が指揮を執り、「リージョン」における開発標準の作成と適用に注力している。
ITをビジネスのスピードに追随させられるか―。全ての企業にとっての課題であり、CIO(最高情報責任者)の最大の悩みでもある。新興国など成長市場を攻める時ほど、その悩みは深くなる。この難題を解くヒントが、トヨタ自動車とホンダの取り組みにある。日本を代表するグローバル企業の両社はアジアでクラウドの導入…