前回([2]紙やフィルムをスキャンしてスマホで管理)、筆者は「書類や資料などを『何でも電子化』して、クラウドストレージなどに置き、パソコンやスマホなどあらゆる端末から利用できるようにしている」と書いた。これは意外と便利だ。

 例えば、外出先で電波時計機能付きの腕時計が誤動作したとき、スキャンしたマニュアルがクラウドに置いてあっておかげで、その場で対処できて助かったことがある。あと、打ち合わせのときにふと出てきた話題なども、クラウドから資料をすぐに取り出して調べられる。これをスマホで見せることで、さらに説得力が上がったり、具体的に内容を詰めたりしたこともある。

 こうした情報環境を作るために、パソコン上で閲覧できるWebページや書類なら、プリンタドライバー形式のPDFソフトが手軽だ。何でも印刷する要領でPDF化して書き出せる(PC Onlineの関連記事:何もかも、PDFに簡単変換。JPEGなど画像にも変換可能)。

サイズが不ぞろいな書類をどうするか

図1●「CamScanner」アプリのアイコン
図1●「CamScanner」アプリのアイコン
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 前回述べたように、紙の資料は基本的にはスキャナーで、本など厚みのあるものはフラットベッドスキャナーで、紙のものはドキュメントスキャナーで、という具合に使い分けるとよい。スマホでも扱えるドキュメントスキャナーを前回紹介した。「何でも電子化」をさらに気軽に、しかもいつでもどこでもできる、というのは大きな利点だ。

 今回紹介するのは、さらに簡易に「何でも電子化」を行える手段である。機器要らずで、スマホのみで完結する。第1回(音楽CD編)第2回(スキャナー編)で説明したように別途周辺機器を用意する必要はない。スマホのカメラで書類を撮影して、アプリで処理して電子化するからだ。

 手に持ったカメラによる撮影ではスキャナーのように真っすぐは撮れない。形もゆがんでしまうし、色のムラも出てしまう。これを補正して、スキャナー専用機でスキャンしたかのようにきれいに整えてくれる優れたアプリがある。

 「CamScanner」というアプリだ。スマホのカメラ(Cam)をスキャナーにする、という名前のままのアプリである。スキャン結果をOCR(光学式文字読み取りツール)にかけてテキスト化する機能なども備えている。