Windows Server 2003からの移行手順は、「棚卸し」「移行方法の検討」「移行先の検討」「移行作業」の4ステップから成る(図1)。

図1●Windows Server 2003からの移行手順
図1●Windows Server 2003からの移行手順
鬼門は「棚卸し」
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 多くのユーザーが手を焼いているのが、最初の棚卸しである。稼働中のアプリケーションやミドルウエアを把握したうえで、稼働実績から必要なCPUやメモリーなどを見積もる必要がある。ところが、「中堅ユーザーにヒアリングしたところ、現状のサーバーに何が入っているか分からない、どこから調査したらよいか分からない、という声が多数あった」(NECネクサソリューションズ 中堅サービス事業推進室 グループマネージャーの河津好雄氏)。

 こうした移行プロジェクトの上流を支援するサービスを、ベンダーが打ち出している。

 NECネクサソリューションズは2014年6月より「Windows Server 2003移行サービス」を提供している。棚卸し作業については、「無償移行診断」で支援。ツールを使って、サーバーのCPUやメモリー、ソフト/ハード資産を調査し、移行のためのサイジングを実施。ネットワーク環境やアプリケーション連携、ミドルウエアの新OSへの対応状況などの調査も行う。

 富士通エフサスも5月に「Windows Server 2003移行サービス」を提供開始。9月末までをキャンペーン期間とし、「移行相談」を無償で受け付ける。「現状の利用環境から移行に向けた課題を洗い出してプランニングし、移行提案を行う」(稲澤氏)。

 日立製作所 PFビジネス本部 サービスビジネス推進部 主任技師の多田公昭氏は、「今後、サーバー上で何が動いているかを把握できる運用管理ソフトがより重要になる」と話す。システムを取り巻く変化が激しくなるなか、いつでも棚卸しできるように備えたい。