中国Tiertime Technologyの最新型3Dプリンター「UP BOX」を使って実際に分子構造のモデルを出力する体験リポート。今回は後編として、いよいよ具体的なプリントの手順を解説する。

除去しやすい造形物の土台部分も成形

 日本3Dプリンター顧問の原島広至氏は、UP BOXが備える、出力中に台座の役割をする「ベッド」から造形物の土台となる部分がはがれるのを防ぐ仕組みに感心したという。写真4を見ると分かるが、繰り返し使うベッドには小さな穴がたくさん空いている。

写真4●ベッドに小さな穴が等間隔に空いている。樹脂がこの穴に食い込んで造形物がはがれるのを防ぐ
写真4●ベッドに小さな穴が等間隔に空いている。樹脂がこの穴に食い込んで造形物がはがれるのを防ぐ
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 これは、「サポート」と呼ばれる、造形物の土台となる部分をベッドに固定するための穴だ。言うなれば地面に樹脂の杭を打ち込むようなイメージ。3Dプリンターは、造形物本体を出力する前にこのサポートを出力作成する(動画1)ことで造形物が重力などで変形するのを防ぐのだ。