2014年7月16日、米ツイッターはCLO(Card Linked Offer)プラットフォーム提供の米カードスプリングを買収すると発表した。CLOとは、クレジットカード利用者に対し、購入履歴や位置情報でターゲティングしたデジタルクーポンを提供、実店舗に送客するビジネスだ。カードスプリングはTISと組み、2014年秋に日本市場へ本格進出する考えだ。個人データを収益に結びつけるビジネスモデルについて、カードスプリング CTO(最高技術責任者)のジェフ・ウィナー氏に聞いた。

(聞き手は浅川 直輝=日経コンピュータ

(注:インタビューはツイッターによる買収発表より前に実施した)


カードスプリングのビジネスモデルを教えて欲しい。

米カードスプリング CTOのジェフ・ウィナー氏
米カードスプリング CTOのジェフ・ウィナー氏
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 カードスプリングは、米フォースクエアなど多くの利用者を抱える事業者(パブリッシャー企業)がCLOサービスを始めるに当たり、必要なIT基盤をクラウドで提供するPaaS(プラットフォーム・アス・ア・サービス)企業だ。パブリッシャー企業は、デジタルクーポンの発行による送客ビジネスで収入を得られる。

 例えば、フォースクエアの利用者がアプリにクレジットカード番号を登録し、デジタルクーポンを選択すれば、実店舗で割引を受けられる。レジでは割引の有無は分からず、代金引き落としの際に割引が適用される仕組みだ。米国ではモバイル広告が隆盛だが、フォースクエアのようなスマホアプリが収集した位置情報をもとに利用者をターゲティングし、近隣の店舗のクーポンを発行できれば、広告より高い効率で送客できる。

 現在では、カードスプリングは100社以上のパブリッシャー企業、400~500万店の加盟店と取引している。加盟店のうち数万店は、実際に定期的にクーポンを発行している。