様々な部品を取り付けられるRaspberry Piの特徴を生かして、温度センサーから定期的に温度を読み取って記録するサーバーを作ります。Raspberry Piは、センサー入力を受け取るのが少し苦手なのですが、うまくつなげられるセンサーを選びました。記録したデータはブラウザーからグラフで確認できるようにします。

 格安のLinux PC「Raspberry Pi」を使って、「温度ロガー」を製作します。自分の部屋など、周りの温度を定期的に測って記録するサーバーマシンです。Webサーバーを動作させ、他のマシンのブラウザーから結果をグラフなどで確認できるようにしましょう(図1)。Raspberry Piは、旧モデル「B」でも2014年7月に発売された新モデル「B+」でもどちらでも大丈夫です。

図1●Raspberry Piで作る「温度ロガー」
図1●Raspberry Piで作る「温度ロガー」
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 手軽にLinuxを動かせるRaspberry Piですが、通常のPC と大きく違うのが、他の部品や回路とつなげるIOポートを持っていることです。ちょっとした電子工作をすれば、通常のPC では実現できないサーバーを構築できます。

 そこで今回利用するのが温度センサーです。ただし後述するように、Raspberry Piはセンサー入力を扱うのが得意ではありません。それを克服するノウハウを紹介しながら、電子工作を進めていきます。併せて、Raspberry Pi上のコマンドやプログラムで、センサーを操作したり、Webサーバーを構築したりするテクニックを解説していきましょう。

センサー入力は扱いづらい

 Raspberry Piは様々なI/Oポートを持っていますが、「アナログ入力ポート」は持っていない点に注意が必要です。データをアナログ値、つまり電圧の大きさで出力する部品は、そのままでは接続できません。

 温度センサーや、リモコン信号などを受信する赤外線センサーなど、数十円で買えるセンサーは豊富にありますが、多くは、測った値をアナログ値で出力します。100℃なら5V、40℃なら3Vというように、電圧の大きさで測定値を表現するのです。