藤川幸一氏がシリコンバレーで起業した米フライデータ(FlyData)は、様々なデータソースから米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のデータウエアハウス(DWH)サービス「Amazon Redshift」にデータを転送するというサービス「FlyData」を提供する。藤川氏はAWSのRedshiftが「Hadoopキラーになりつつある」との見方を示す。

フライデータのビジネスの現状はどうか?

写真●米FlyData創業者の藤川幸一氏
写真●米FlyData創業者の藤川幸一氏
[画像のクリックで拡大表示]

 当社はもともとハピルス(Hapyrus)という社名で、「Hadoop」のPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)を提供することを目指して起業した。しかしHadoopのPaaSが増えてきたことを考え、現在の「FlyData」の事業にピボット(事業転換)し、社名もFlyDataへと変更した。

 事業を転換したもう一つの理由が、AWSが2013年初めにRedshiftを開始したことだ。Redshiftを試してみて、これが「Hadoopキラー」になると感じたからだ。HadoopのSQLクエリーの仕組みである「Hive」を使ったクエリー処理をRedshiftでも実行してみたところ、Hiveでは1時間かかっていた処理時間がRedshiftでは2秒にまで短縮した。そこでHadoopでの経験を生かして、Redshiftを活用したビッグデータ関連ビジネスを行おうと考え、FlyDataを開始した。

 当社のような、Redshiftを活用したソリューションサービスを提供する企業が増えている。例えばRedshiftのパートナーを紹介するAWSのWebページには、「BI(ビジネスインテリジェンス)」や「データ統合」「システム統合」といったサービスを提供するベンダーが記載してある。当社はデータ統合のサービスを提供するベンダーとなる。

 Webサーバーのログなど様々な場所で発生するデータを、オープンソースソフトウエア(OSS)のログ収集ツールである「Fluentd」を使って「JSON」形式で収集し、それをRedshiftに蓄積するというのがFlyDataが提供する機能だ。リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)からデータをRedshiftに転送したり同期したりすることもできる。またRedshiftを活用するためのコンサルティングサービスも提供している。