自社のデータを分析するだけでなく、他社が提供しているデータやサービスを組み合わせることで新たなビジネスのチャンスが見えてくる。独自にデータを収集、分析して提供しているベンダーのサービスの特徴や体制を紹介する。

ソーシャルメディア分析は「ファン」発見に有効

 ビッグデータ分析といえば、必ず話題になるのがソーシャルメディアからのトレンド抽出だ。現在は、多数のベンダーがデータやツールを提供している。ベンチャー企業のデータセクションもその一つ。従来型のブログや掲示板を含むソーシャルメディア全般の書き込みを分析する「Insight Intelligence」や、Twitterの拡散規模を調べる「Tweet Analyzer」といった各種のツールを提供している。

 ただ、同社の林 健人取締役兼COO(最高執行責任者、写真1)は「ソーシャルメディア分析は向き、不向きがある。分析してもすぐには成果が見えないこともある」と、利用について注意を促す。

写真1●データセクションの林 健人取締役兼COO(最高執行責任者、右)と橋本大也取締役会長
写真1●データセクションの林 健人取締役兼COO(最高執行責任者、右)と橋本大也取締役会長
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 林氏が、多くの企業が同じような失敗をする例として挙げるのがPOSデータとの相関分析だ。広告による露出と口コミの盛り上がり、売れ行きはそれほど単純には連動していない。「少し試して関連がなかったとして止めてしまう企業が多い」(林氏)。

 データの活用には、実は様々なステップがある。仮説を基にデータを抽出して分析した後、その結果の妥当性を検証してから抽出条件を見直すなど、そのステップを行き来しながら煮詰めていかなければ活用につながらない。