写真1●セガ社長室プロジェクト推進部SEGA ID推進課の小島雄一郎課長(写真:渡辺 慎一郎)
写真1●セガ社長室プロジェクト推進部SEGA ID推進課の小島雄一郎課長(写真:渡辺 慎一郎)
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 様々なエンタテインメント事業を手がけるセガが本格的なデータ活用に乗り出した。全社共通で使える顧客(ゲームプレーヤー)向けの認証基盤「SEGA ID」を構築。各事業部が運営しているゲームのログデータと付き合わせることでプレーヤーの行動を分析できるようにして、新たなサービスやゲームの開発につなげる。

 セガでデータ活用を主導しているのは、社長室の中にあるプロジェクト推進部SEGA ID推進課。小島雄一郎課長(写真1)ら3名が旗振り役になり、BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールとして「QlikView」(クリックテック・ジャパン)と、データマイニング用に「InfiniteInsight」(SAPジャパン)をまず導入した。小島課長らは「伝道師」として、各事業部でのデータ分析業務を支援している。

プレーヤーの姿をとらえるため共通認証基盤を構築

写真2●セガ社長室の竹崎忠室長(写真:渡辺 慎一郎)
写真2●セガ社長室の竹崎忠室長(写真:渡辺 慎一郎)
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 セガは、スマートフォン/携帯電話向けのアプリや家庭用ゲーム機向けゲームソフト、オンラインゲーム、アーケードゲーム(業務用ゲーム)、アミューズメント施設の開発、機器製造、運営などを手がけている。こうした事業領域の広さを強みとする一方で、「事業ごとにそれぞれの専門に特化しており、各事業をまたいで見る姿勢に欠けていた」(セガ社長室の竹崎忠室長、写真2)。

 例えば、オンラインゲームやアーケードゲームは、タイトルごとに異なる認証システムを使っていた。担当する部署が、それぞれのゲームに最適化して作っていたからだ。ゲームやサービスごとにログは保存していたものの、あるゲームを遊んでいる人がセガのほかのゲーム/サービスを利用しているかを知る仕組みはなかった。