自由民主党ICT政策提言「デジタル・ニッポン2014」(以下、提言)の中では、スマートデバイスの普及による電波資源の逼迫や、インフラ老朽化に対する対策だけでなく、真夏に開催される東京オリンピック・パラリンピックを意識した暑さ対策なども含まれている。今回は、通信環境、暑さ対策、住宅、エネルギー、管路インフラといった社会インフラ分野の提言内容を紹介しよう。

 観光庁の調査によると外国人旅行者が日本国内で最も困ったことは、無料公衆無線LANだそうだ。観光立国で3000万人の外国人旅行者を目指す政府としては、公衆無線LAN環境の整備は必須だろう。

 そこで、象徴的に「富士山頂光ファイバー」が提言されている(図1)。これは、全国津々浦々に公衆無線LANを張り巡らし、世界遺産となった富士山の山頂までカバーするという意気込みの表れだ。

 富士山頂まで光ファイバーを通し、基地局を設置すれば、富士山頂でも快適に無線LANや携帯電話が使え、登山者が富士山頂から生の感動を世界に発信できるようになる。これで、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)など草の根から世界に富士山を宣伝できる。

図1●2020年、富士山頂に光ファイバーを敷く(出典:自由民主党の公開資料)
図1●2020年、富士山頂に光ファイバーを敷く(出典:自由民主党の公開資料)
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