自由民主党ICT政策提言「デジタル・ニッポン2014」(以下、提言)の中で、「スーパーID」と「スーパーナビ」は中核をなす機能だ。スーパーIDは公衆無線LAN接続に使われるだけでなく、「Suica」や「PASMO」のような交通系ICカードや電子マネー、あるいは競技場のICチケットとしても使われる。ネットに接続すれば、スーパーナビで交通、競技場内、観光地、街歩きのナビゲーションが提供される。これらに関連した様々なサービスの創出が期待できる。ここでは、この2つの中核機能について提言の内容を紹介しよう。

 スーパーIDは、基本的に2020年東京オリンピック・パラリンピックで来日する外国人旅行者を意識したもの。「Suica」や「PASMO」といった交通系ICカードにネット接続用のID機能を搭載したようなイメージだ。機能的には日本人でも利用可能になっており、公衆無線LANの普及とその無料化を後押しするものだ。

 スーパーIDにはまず本人確認が必要になる(図1)。入国審査でパスポートなどとひも付けられれば一番よい。公衆無線LANならば本人情報は不要と思われるかもしれないが、災害情報を緊急送信するために必要だと考えている。

図1●スーパーIDが使われる場面(出典:自由民主党の公開資料)
図1●スーパーIDが使われる場面(出典:自由民主党の公開資料)
[画像のクリックで拡大表示]

 スーパーナビはネットへの接続が必須となる。スーパーIDを接続時のIDとして利用する。交通系ICカードの機能や電子マネー機能をこのIDで利用してもらう予定なので、何らかのデバイスが必要だ。基本的にはスマートフォンのようなスマートデバイスを想定している。