韓国において医療機器の認可を担当する省庁である食品医薬品安全処は、「融・複合ヘルスケア活性化対策」の一環として、ウェルネス(Wellness)分野のウエアラブル端末やモバイルデバイスを2015年6月からは医療機器と見なさないとの決定を下した。

 食品医薬品安全処は6月末までに、「健康管理用Wellness製品区分基準ガイドライン」を制定する。同ガイドラインでは、日常生活で健康を維持するために使うリストバンド型の体脂肪計や心拍計などを、医療機器管理対象から除外。患者の状態に応じて診断および処方するために使う機器でなければ、Wellnessに分類することとした。

韓国Inbody社が開発した、手首にはめるだけで体脂肪を測れるウエアラブル端末「InbodyBand」。今回の規制緩和により、韓国では体脂肪や心拍数、呼吸などを測れる個人向けウエアラブル端末市場の拡大が見込まれる
韓国Inbody社が開発した、手首にはめるだけで体脂肪を測れるウエアラブル端末「InbodyBand」。今回の規制緩和により、韓国では体脂肪や心拍数、呼吸などを測れる個人向けウエアラブル端末市場の拡大が見込まれる
[画像のクリックで拡大表示]

 医療機器管理対象から除外されると、事前許可審査や医療機器製造、品質管理基準といった、医療機器向けの義務規定を守らなくても済む。結果として、製品開発から製品化まで最長4年ほどもかかっていた審査期間を、2カ月に短縮できるとする。ただし、電気用品安全管理法に従い、電気的安全性は検証する。Wellness製品として発売してから疾病の診断・治療などの医療目的の機能を追加できないように、事後管理を行う。

 Wellnessはwell-beingとhappiness、fitnessを組み合わせた造語で、健康な状態を意味する。治療目的ではなく健康な人が健康を保つために使う機器に関しては、安全確認以外の手続きを簡素化し、開発から発売までの期間を短縮できるようにするわけだ。