「40年前、博士課程で医療情報学を専攻することに決めたら、君はなぜそんな医療の“辺境”を専攻するのかと聞かれた。ビッグデータ時代を迎えた今、医療情報やITは医療の辺境どころか“根幹”となりつつある」――。

 東京医科歯科大学 名誉教授の田中博氏(東北大学東北メディカル・メガバンク機構 特任教授 機構長特別補佐)は、インターシステムズジャパンが2015年10月22日に東京都内で開催した「InterSystems in Healthcare Seminar 2015」に登壇。「先端医療にITはどう寄与できるか ~ゲノムオミックス医療・モバイルヘルス・EHR~」と題し、ビッグデータが医療にもたらすパラダイムシフトをテーマに講演した。

講演する田中氏
講演する田中氏
[画像のクリックで拡大表示]

 医療ビッグデータの“第1の流れ”。同氏がそう位置付けるのは、ゲノム(遺伝情報)やオミックス(網羅的な生体分子情報)に基づく「ゲノム・オミックス医療」である。その臨床応用において、日本などに比べて「5年先行している」とする米国の事例を詳しく紹介した。