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何を優先し,どんなメリットを得るべきか誰もが納得する UNIXサーバの更改術
安定性,移行期間,コストのバランスがカギ 付加価値は最新UNIXサーバがもたらす
基幹システムなどを担うUNIXサーバのリプレースに迫られたシステム担当者には,安定稼働,移行期間の短期化,さらにはコスト削減など,様々な課題が突きつけられる。しかも,どれか1つを大きく満たす方策ではなく,全てをバランス良く満たさなければならない。では,そのための具体策とは,一体どのようなものだろうか。また,単なる移行に終わらせないプラスアルファのメリットはどのように得るべきだろうか。ここでは,UNIXサーバの置かれている環境,ビジネスへの影響などを考慮しながら,それを考えてみたい。
UNIXサーバの刷新のポイントは「バランス」にあり

いまや,ほとんどの企業がITをビジネスに活用している。それらの企業にとって,避けられないのがシステムの刷新である。処理データの増大に対応するための性能向上,将来のビジネス展開を見越した拡張,あるいは,リースの期限切れなど,様々な事情が考えられるが,いずれにせよ,ITを活用する以上,システムの刷新,サーバのリプレースは必要不可欠な取り組みとなる。

図1 UNIXサーバのリプレースに求められる要件 図1 UNIXサーバのリプレースに求められる要件
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企業の基幹システムを担うUNIXサーバをリプレースする際には,「安定稼働」「移行期間の短期化」「コスト削減」という複数の要件をバランス良く満たさなければならない。

それを担当するのは,もちろんシステム管理者だが,知っての通り,移行というプロジェクトは決して容易なものではない。実際,『日経SYSTEMS』が,本誌読者100人を対象にしたあるアンケートでは「移行でトラブルが生じたことがない」と回答した人は,回答数の2割弱に過ぎなかった。中でも,今日,企業の基幹システムを担うことの多いUNIXサーバの刷新においては,複数の要件に包括的に対応しなければ移行を成功させることはできない。具体的には,「移行後の安定稼働を確実にすること」と「速やかに短期間で移行すること」,さらに,経営層からシステム部門に恒久的に求められる「コスト削減」という要件だ。UNIXシステムの担当者は,こうした要件をバランス良く満たした移行プロジェクトを完遂させなければならないのである(図1)。

こうした事態に直面し,そうした要件を満たす最適な選択肢を模索している担当者も多いことだろう。しかし,冷静に状況を見極めると1つの移行方針が浮上してくる。しかも,その方針を採用すれば,プロジェクトにおける担当者の負担も大幅に軽減できるのだ。

担当者の負荷軽減がUNIXシステム刷新の成功につながる

まず,UNIXサーバの移行において,安全かつ迅速なリプレースを実現するために,最も優先すべきなのが,リスクを負わないということである。ビジネスの根幹を担うサーバだけに,停止や不具合といったトラブルの原因はできるだけ排除しておくべきだからだ。

そこで,移行プロジェクトの大きな方針として浮上するのが,同一のプラットフォーム上に移行すること,つまり,同一のOSを採用することである。一般的に企業の基幹システムは,膨大な費用をかけて,特定プラットフォーム上に構築されており,別のプラットフォームを採用することになれば,それを新たに作り替える必要がある。つまり,UNIX上で稼働してきたシステムなら,同一OS上に移行することで,検証作業なども最低限ですみ,安全かつ迅速な移行が容易に行えるということである。仮にOSのバージョンが違ったとしても別系統のOSに移行する場合に比べ,どちらが互換性の面で優れているかは明らかだ。また,移行後も,自社がこれまで培ってきた運用ノウハウなどを最大限活用することができ,安定稼働を支える人的リソースの面でも安心できる。

図2 国内サーバの市場動向 図2 国内サーバの市場動向
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出荷金額ベースで調査したUNIX市場規模は,最近のハードウェアの価格低下などの影響も受け,多少縮小しているかに見えるが,ほぼ一定のマーケットを獲得し,今後もこの傾向は続くことが予想される。

UNIXの将来性を危惧する声もあるが,UNIXの市場動向を調べたIDCの調査からも分かる通り,UNIXサーバ市場は,ほぼ一定のマーケット規模を獲得しており,今後もその傾向が続くことが予想される(図2)。しかも,この調査は,出荷金額ベースでの推移を示したものであるため,多少,規模が縮小しているという結果は,最近のハードウェアの価格低下にも一因があると言えるだろう。

一方,こうした事実は認識しつつも,障害になりがちなのが,低コストという要件である。UNIXサーバは,高価であるという「思いこみ」が,その一因となっている。

確かに,UNIXに比べて導入コストが安価なプラットフォームは存在する。しかし,OSを変更するとなると,先に述べたように,新たなプラットフォームに対応するために基幹アプリケーションを作り替えなければならないし,現状のプラットフォームに最適化したセキュリティ環境も見直す必要がある。そのためのコストが,どれくらいになるか,システム担当者なら容易に想像がつくだろう。

また,ITシステムのコストは,導入コストだけでなく運用時のコストも含めて考えるべきである。基幹システムをUNIXから別のプラットフォームへ移行するということは,ノウハウの習得や運用体制構築のために新たにコストが発生することを忘れてはならない。加えて,コスト削減を優先し,自社のビジネスの根幹を担うシステムから安定性が失われ,結果として収益に悪影響を及ぼすようでは,本末転倒である。

そして,さらに肝心なのは,UNIXならではの信頼性である。金融基幹系をはじめ,ミッションクリティカルな業務継続がとかく求められやすいUNIXにおいて,信頼性追究の観点で考えると,OS変更に伴うリスク回避は大きなポイントとなるはずだ。

このように考えると,UNIXサーバのリプレースにおいて,安全性と迅速性,コストという要件を両立できる第一の選択肢となるのは,やはりUNIXサーバといえる。つまり,UNIXシステムのリプレースの最適解は,別のプラットフォームへの移行ではなく,実は,担当者の負荷が最も少ないUNIXへの移行なのである。実際,商用UNIXの代表格であるSolarisは,移行時の互換性という面では,これまでの全てのバージョンでバイナリ互換を維持しており,円滑な移行を支援している。昨今,UNIX以外のOSに注目が集まりがちだが,別のOSへの移行は,安全性やスピードを犠牲にしてでも,得たいメリットがある場合に限った方がよいだろう。

最新のサーバ製品で刷新にプラスアルファのメリットを

とはいえ,安全性やスピードを重視したことは理解されても,大きなプラスアルファのメリットの見えづらい施策は,経営者やCIOに「手間をかけたくないだけ」という誤解を与えかねない。そこで,カギを握るのがリプレースするサーバの選択である。最新のUNIXサーバは,性能面で大きな進化を遂げており,ITシステムに新たな価値をもたらしてくれるからだ。

図3 SPARC Enterpriseのコンセプト 図3 SPARC Enterpriseのコンセプト
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富士通とサン・マイクロシステムズの共同開発によって誕生。特に筐体には,高い信頼性と性能で市場から高い評価を得た富士通の「PRIMEPOWER」のアーキテクチャーが採用されており,UNIXサーバに求められる安定稼働を高いレベルで実現する。

その代表的な例が,富士通とサン・マイクロシステムズが,両社の強みを持ち寄り共同開発した,UNIXサーバ「SPARC Enterprise」である。対応OSは,商用UNIX市場で最も大きなシェアを誇るSolaris(※1)。筐体には,サン・マイクロシステムズの持つネットワーク・コンピューティングなどの技術,メインフレームなどで培ったミッションクリティカル技術によって市場から高い評価を得ている富士通のUNIXサーバ「PRIMEPOWER」のアーキテクチャーを継承するなど,まさにUNIXサーバの本流ともいえる仕様となっている(図3)。

具体的な強化ポイントとしては,プロセッサや筐体のシステム・バス性能の強化によって大幅に処理能力を向上。この性能強化や環境への配慮から,SPARC Enterpriseは,従来製品であるPRIMEPOWERで構成していたシステムをより少ないサーバ設置台数で代替することができるようになり,ある場合では,性能40%向上(※2),消費電力75%削減(※3),設置スペース80%削減(※3)といったユーザーメリットを実現することもできるという(図4)。

安定稼働を実現する信頼性の面でも,プロセッサのエラー検出機構やリカバリ機構で,プロセッサ障害によるシステム停止を最小限に抑止することが可能だ。もちろん,他にも様々な機能強化が図られている。

図4 最新UNIXサーバであるSPARC Enterpriseの進化 図4 最新UNIXサーバであるSPARC Enterpriseの進化
最新UNIXサーバSPARC Enterpriseは,富士通の従来製品であるPRIMEPOWERに比べ,性能,消費電力,設置スペースの面で,大きな進化を遂げている。

つまり,UNIXサーバのリプレース時に最新サーバ製品SPARC Enterpriseを選択することで,単に安定した環境をスピーディに継続できるだけでなく,ビジネスに,これまでにはなかったプラスアルファのメリットを提供できるのである。移行時のスムーズさ,資産の継承性という面では,自社のアーキテクチャーを知り尽くした富士通にサポートを任せることで,より大きな安心を得られる。

このように,UNIXサーバのリプレースにおいては,何より安定稼働と事業の継続性を優先するために同一のOSへシステムを移行しつつ,サーバ選択によってプラスアルファのメリットを得ることが,有効な戦略となることが分かる。

次回は,このプラスアルファのメリットを生み出す最新UNIXサーバの技術仕様や機能について,さらに深く解説する。

※1 IDC Japan's Japan Server Quarterly Model Analysis CY2007 Q3(CPU:RISC+IA64,OS:UNIX)
※2 2階層SAP標準アプリケーションSD(販売管理)ベンチマークにおける同等クラスの従来機との比較。PRIMEPOWER 1500(SPARC64 V,32CPU/32コア)[同時アクセスユーザー数5,200]とSPARC Enterprise M8000(SPARC64 VI,16CPU/32コア)[同時アクセスユーザー数7,300]
※3 富士通ベンチマークにおける同等性能の従来機のシステムとの比較。PRIMEPOWER 250(SPARC64 V,2CPU/2コア)×5台とSPARC Enterprise T5220(UltraSPARC T2,1CPU/8コア)×1台

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