TV会議システム特集
Top Page
特集記事
高機能化・低価格化で導入が活発化するTV会議システム
各社製品ガイド
エイネット
ダイトエレクトロン
丸紅テレコム
NTT-IT
プロジェクトアイ
TANDBERG(タンバーグ)
トーメンサイバービジネス
高機能化・低価格化で導入が活発化するTV会議システム
出張時のコスト削減だけではない
TV会議システムのメリット
 SARSやイラク問題などを背景にTV会議システムに着目する企業が増えている。かつて「有事のドル買い」といわれたものだが、現在はさしずめ「有事の際のTV会議システム」といえようか。9.11の同時多発テロ発生後、社員の海外出張を見合わせた企業は多く、TV会議システムの需要が急増したといわれる。

 というのも、こうした「有事」にも、ビジネス活動の停滞は許されないからだ。生産拠点の海外移転や企業の統合・合併、さらには資材の調達から生産、販売、物流、決済まで連携するSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)などの導入が加速する中、遠隔地の拠点間、企業間での情報交換の機会は増える一方だ。

 そもそもTV会議のメリットはどんなことにあるのだろうか。電話による簡単な打ち合わせではなく、相手の表情を見ながら意思の疎通を図りたいというケースは多い。複数の相手と同時に話をする場合、音声会議システムを別にすれば、既存の電話では困難である。会議につきものの資料の配布にしても、メールやFAXがあるとはいえ、リアルタイムかつ双方向の情報交換には手間がかかるが、TV会議システムであれば容易に行える。

 また、会議のための出張が減り、移動に取られていた時間をほかの業務に有効活用できるなど、単に交通費や宿泊費などのコスト削減だけでなく、業務の効率化や生産性の向上に役立つ。1、2時間の会議なのに往復の移動時間を含めると一日仕事になってしまう、という経験を持つビジネスマンは多いはずだ。とりわけ、多忙な役員や管理職にとってわずかの時間も貴重である。参加者が一堂に集まっての対面での会議の重要性は否定しないが、内容によってはTV会議で済む場合も少なくない。企業ユーザーはTV会議の便利さ、メリットを再認識するべきなのかもしれない。

遠隔教育や遠隔医療など
さまざまな分野で導入
 先進企業では出張コストなどの削減のみならず、生産性の向上や競争力の強化、迅速な意思決定などの手段としてTV会議システムを活用している。例えば、本社と海外工場を結んで生産管理などを行い、生産から納入までのリードタイムを短縮、市場における競争優位の確保に役立てているメーカーも多い。

 TV会議システムの利点は、Face to Faceのコミュニケーションが可能になることだけではない。会議に必要な各種資料(データ)の送受信が行えることから、電話では説明が困難なデザインなどの打ち合わせも可能だ。参加者が画面で同一の資料を共有しながら会議が行え、とくに注目してほしい箇所は、キーボードやマウスなどで文字や図形を書き込めるので、実際の会議同様に綿密な意思の疎通が可能になる。

 さらにTV会議システムは、会議など双方向のコミュニケーションのほか、社員向けのトップの訓示や製品情報の提供、イベント中継などの同報通信や、遠隔教育・研修、遠隔医療などさまざまな用途に適用されている。

 例えばある企業では、通常の会議のほか、社員研修にTV会議システムを活用している。従来、全国の拠点から本社に社員を集めて定期的に研修を行っていたが、遠隔地の社員の場合、移動時間や多額の旅費がかかることから、毎回研修に参加できないという問題を抱えていた。テレビ会議を研修に活用することで全社員が容易に受講できるようなったほか、リモート拠点の社員の旅費・宿泊費を削減でき、研修費用を半減できたという。

 また、遠隔医療や遠隔教育でもテレビ会議システムが盛んに利用されている。海外では、専門医が遠隔地の病院で行われる治療や手術をサポートするなど、さまざまな医療場面で活用されているという。教育分野では、地域の学校にTV会議システムを導入し、他校との遠隔共同授業や交流授業などに取り組む自治体なども少なくない。

ブロードバンド化が
TV会議システムの導入を加速
 会議や遠隔医療、遠隔教育などさまざまな分野でTV会議システムの導入が進む背景として、ブロードバンド・ネットワークの浸透が挙げられる。例えば前述の遠隔教育の場合、文部科学省が実施している教育情報通信衛星を用いた映像や画像など大容量情報を県内の各学校へ高速に配信できるよう、地域ネットワークおよび校内LANなどのブロードバンド化を推進している例もある。

 また、社内研修にTV会議システムを活用する前述の企業の場合、社内ネットワーク・インフラとして新たに広域イーサネットを導入。拠点間の基幹データ・トラフィックの増大に対応することが広域イーサネット導入の主な目的だが、多拠点のTV会議開催を視野に入れて広帯域の全社ネットワークを構築している。

 この企業のTV会議システムで使われる帯域は1拠点あたり数百kビット/秒になり、全拠点で一斉に会議や研修を開催すると数Mビット/秒の帯域が必要になるという。このため、広帯域ネットワークの構築が欠かせないと判断。また、複数拠点のTV会議システムを制御するMCU(Multipoint Control Unit:多地点接続装置)にトラフィックが集中することから、網内のデータセンターにMCUを設置するなど、快適なTV会議システムの利用環境を整えている。

 このほか、IP-VPNを導入し、全社的なVoIP(Voice over IP)ネットワークを構築したある企業では、アクセス回線を含め全社ネットワークが広帯域になったことから、今後、TV会議システムなどのビジュアル・アプリケーション導入を視野に入れている。「百聞は一見に如かず」の喩えではないが、電話やメールと異なり、「映像の活用で的確な業務指示が可能になり、ミスや無駄を減らし、生産性の向上が可能になる」と期待する。

 TV会議システムというと、ユーザーは大手企業を想定しがちだが、ADSLやFTTHなどのブロードバンド・サービスの拡充とともに、中小規模の企業でも活発な導入が期待される。例えば、店舗に設置して顧客の相談に応じる不動産会社などにもTV会議システムは役立つ。相手の顔を見ながら話せば、本気で物件を求めているかどうかがわかるうえ、希望の間取り図などの資料もデータベースから取り出して瞬時に提示できる。

 顧客の窓口となる店舗を駅前の立地条件の場所に配置することで、顧客にわざわざ本社などに足を運んでもらう必要がなくなり、顧客サービスの向上が可能になる。現在、企業規模を問わず、顧客の維持・獲得を命題にCRM(Customer Relationship Management)の導入が活発化しているが、TV会議システムもその手段として注目されるだろう。

Page Top


日経BP社
Copyright (C) 2003 Nikkei Business Publications, Inc. All rights reserved.
記事中の情報は,記事執筆時点または雑誌掲載時点のものです。
このサイトに掲載されている記事,写真,図表などの無断転載を禁じます。
詳しくはこちらをご覧ください。
Next