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富士通 統合運用管理ソフトウェアSystemwalkerが実現するITILに基づく運用管理 “見える化”から始める実践的ITIL活用法
Vol5. ケーススタディに見る! システム全体の見える化
最終回の今回は、ITIL実践のために富士通が提唱する“3つの見える化”のうち「システム全体の見える化」について、実例を紹介しながらより詳しく解説する。今回も富士通 ソフトウェア事業本部 ミドルウェア事業統括部 プロジェクト課長 堀江隆一氏に話を聞いた。

マルチベンダーシステムの運用を効率化し統制をとるために、運用管理の統合を検討
富士通株式会社 ソフトウェア事業本部 ミドルウェア事業統括部 プロジェクト課長 堀江 隆一氏.
富士通株式会社 ソフトウェア事業本部 ミドルウェア事業統括部 プロジェクト課長 堀江 隆一氏.

 金融業A社では、事務の効率化やサービスの高度化を推進するにつれ、システムが徐々に拡大し、現在本社および3つのセンターでシステムを運用している。同社が運用する主なシステムは8つにのぼり、それらの大きなシステムのほかに、個別のサーバ類も存在している。

 これらを監視・管理する運用管理システムもそれぞれの要件に合わせて運用管理製品を選択してきたため、3社のベンダーが提供する製品が混在し、それぞればらばらに運用されてきた。

 そのため、運用管理システムごとに別々の運用担当者が必要で、管理負荷も運用コストも増大する一方だった。また、管理手順や取得できる情報も、運用管理製品ごとに異なるため、全社的なIT管理の統制が困難となり、IT全般統制対応の点からも課題となっていた。


現状を大きく変えずに統合でき、一画面で全体を監視できるSystemwalkerを選択

 そこで、全社の8つのシステムを一元的に監視・運用することで運用管理の効率化を検討。現在3つの運用管理製品でばらばらに行われている運用を、1ヶ所に統合することにした。

 その際に同社が重要と考えたのは以下の3点である。

1. 既存システムに大きく手を入れることなく統合できること。
2. 監視メッセージが見やすく、重要なメッセージの見落としを防止できること。
3. ひとつの画面で全体を監視でき、画面切り換えなどの操作負担が軽減できること。

 上記要件を中心に検討した結果、同社が選択したのが、富士通の統合運用管理ソフトウェア「Systemwalker Centric Manager」である。


最小の変更で容易に全体統合を実現、管理情報も共通化

 1つめのポイントは、「Systemwalker Centric Manager」を利用することで、既存システムを大幅に変更することなく、統合管理が可能になったことだ。一般的に、異なる運用管理製品で監視されている環境では、共通の形式で管理するために運用管理製品を統一する必要がある。そのため、製品の購入コストだけでなく既存システムを大幅に変更しなくてはならない。その点、Systemwalkerでは、統合監視を行うためのサーバを追加し、各ベンダーの運用管理製品のマネージャー側にSystemwalkerエージェントをアドオン導入するといった最小限の変更だけで連携することが可能だ。

 堀江氏はこの機能について次のように語っている。「多くの統合運用管理システムでは、標準的な通信プロトコルであるSNMP(注)トラップによるイベント通知が使われますが、SNMPトラップでは、エージェントからマネージャーに送られたイベントメッセージの着信確認ができないため、ネットワークトラブルなどでデータが消失してもわかりません。その点Systemwalkerは、マネージャーとエージェント間での送達確認機能を持っているので、容易に確実な通知を実現します」
注)SNMP:Simple Network Management Protocol

 2つめのポイントとして、Systemwalker以外の他社運用管理製品が検知するイベントメッセージも「他社連携アダプタ」を利用してSystemwalker形式に変換することで、すべて共通のメッセージ形式で監視することができるようになった。これにより、監視運用においてメッセージ判別を効率化し、メッセージ形式の違いから重要なトラブルを見逃すことも防止できるようになった。

事例1:統合監視を導入

 さらに、従来管理外に置かれていた個別運用のサーバも、インストールレス(*)型エージェントにより、運用を止めずに監視対象として組み入れ、統合監視下に置けるようになった。これにより従来十分な監視・管理が実施できなかったサーバの監視も、ほかのシステムと統合して監視できるようになり、システムの信頼性が向上した。
*インストールレス:監視対象サーバに監視用のエージェントソフトをインストールしない

ひとつの画面で全体を監視でき、重要なメッセージだけを表示

 3つめのポイントは、操作性向上による運用者の監視負担の軽減だ。全社のシステムを監視するうえで、監視対象や監視項目ごとに監視画面を切り換えたり、監視設定を何度も定義し直したりでは煩雑でミスが発生する恐れがある。そこで、単一の監視画面で監視設定から監視運用までをシームレスに操作することで運用の効率化が図れる。

 以下の監視画面イメージで説明しよう。

監視画面イメージ

 左の構成ツリーから監視対象部門をクリックすれば、画面の右側に各センター内のシステム構成が一覧できる。トラブルが発生している機器は×印などで表示されるため、トラブル箇所が一目瞭然に把握できる。堀江氏は、「Systemwalker Centric Managerは、サーバやネットワーク、アプリケーションなど、システムのあらゆる構成要素を統合された単一画面で監視することができます。監視種別ごとに画面やシステムを切り替えることなく、シームレスに確認していくことができるので、すべてを同じ操作性で管理できるため、運用担当者の管理負荷軽減につながります」と語っている。

 画面の下側に表示されているのがイベントメッセージで、全システムからのイベントを一覧表示。関連したメッセージは集約して通知し、同種のメッセージの乱発を防止することもできる。たとえばネットワーク機器などに障害が起きた場合、この機器に接続するすべてのノードから接続異常のメッセージが上がって来ると膨大な数になり、煩わしいだけで重要なメッセージが埋もれてしまう危険性が高まる。そこで、「Systemwalker Centric Manager」は、それらを集約してひとつのメッセージに統合。多くのメッセージに埋もれて重要なメッセージを見落とす危険性を大幅に減少させることができる。

 このように、A社では「Systemwalker Centric Manager」を導入することによって、当初の課題だった、運用コストや負荷の大幅削減を実現。管理ツールごとに異なっていた運用手順や管理情報を共通化でき、統制のとれた運用も実現した。

ITILに準拠して日々の運用を改善。企業システムの実態に即した機能を追求

 これまで5回にわたって説明してきたように、ITILに基づいて日々の運用改善を実現するためには、まず現状をきちんと把握することが重要である。「富士通では、計画立案から入るPDCA(Plan-Do-Check-Act)ではなく、現状のチェックから入るCAPDo(キャップドゥー:Check-Act-Plan-Do)方式で推進することを提唱しています。運用現場の課題を解決するためには、現状を“見える化”することが最大の近道なのです」(堀江氏)

 今回の連載で紹介してきた「システム変更の見える化」「サービスレベルの見える化」「システム全体の見える化」を実践するためにSystemwalkerが提供するさまざまな機能は、IT全般統制対応にも活用できる。

 最後に堀江氏は、「ITILに準拠した運用は、あくまでも確実な運用を効率よく行うためです。ITILに準拠することを目的化しては意味がありません。たとえば今回ご紹介した「システム全体の見える化」で言えば、ITILが求めているのは、あくまでもイベントの収集や分類、重要なイベントへの対応であって、統合ではありません。しかし、実際にはシステム運用を統合することで効率化し、確実な対処を実現することができます。そういう意味で、Systemwalkerは企業のシステム運用効率化から、システムサービスの品質の把握・予見、人間の作業プロセスの標準化による人為ミスを防止、といった日々の運用向上に必要な機能を提供しています。そして、これからもお客さまのご要望を聞きながら、より使いやすい製品へと進化させていきます」と語った。

 

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