ITpro Special ITpro
富士通 統合運用管理ソフトウェアSystemwalkerが実現するITILに基づく運用管理 “見える化”から始める実践的ITIL活用法
Vol4. ケーススタディに見る! サービスレベルの見える化
前回に引き続き、事例をもとにSystemwalkerを活用したITILの実践について紹介していく。今回紹介するのは大手製造業において、「サービスレベルの見える化」を実現することによって、従来のままでは気づかなかったトラブルの予兆を発見した事例である。今回も富士通 ソフトウェア事業本部 ミドルウェア事業統括部 プロジェクト課長 堀江隆一氏に聞く。

システムの複雑化に伴い、稼働状況の把握が困難に
富士通株式会社 ソフトウェア事業本部 ミドルウェア事業統括部 プロジェクト課長 堀江 隆一氏.
富士通株式会社 ソフトウェア事業本部 ミドルウェア事業統括部 プロジェクト課長 堀江 隆一氏.

 大手製造業A社の利用する営業基幹システムは、営業担当者を中心に約8,000人が利用するWebベースのシステムである。商談活動の支援や販売管理を行っており、財務システムや工場など約20のシステムと連携する、営業活動の要とも言えるシステムだ。

 これまでに、さまざまな機能を追加してきた結果システムが巨大化・複雑化し、稼働状態の把握が困難となっていた。その結果サービス品質が測定できず、レスポンスの低下など性能トラブルが多発するという事態に陥り、エンドユーザーの業務にも影響が出始めていた。ところが、問題箇所や根本原因が特定できていないため、性能トラブルを防止するために何をすればいいのかがわからない。

 とはいえ、このままでは性能の劣化にとどまらず、いずれシステムダウンなどの重大なトラブルに見舞われる恐れがある。安定したサービスを提供し続けるためには、この状態を放置しておくわけにはいかないということは、明らかだった。


「サービスレベルの見える化」により、課題を発見

 そこで、A社はデータセンターの移転を機に、DBサーバをハイエンドマシンに集約。同時に、統合運用管理製品「Systemwalker」を導入して、「サービスレベルの見える化」に取り組んだ。

 A社が今回導入したのは、「Systemwalker Service Quality Coordinator」である。その特長を堀江氏は、「システムの性能情報を収集して蓄積し、さまざまな角度から解析することが可能です。蓄積した過去の正常な時期のデータと比較することで、現在の状態に問題があるかどうか、さらにどこに問題があるかを特定することまでが可能になります。これにより、問題が起きる前に、トラブルの予兆をとらえることが可能になるのです」と語っている。

 A社は「Systemwalker Service Quality Coordinator」を利用することによって、システム状態の把握を実現。その結果、あるトラブルの予兆を発見した。ハイエンドマシンに移行・集約し、性能が向上したはずのDBサーバで想定以上に業務が増加した結果、夜間のCPU負荷が高騰していることに気づいたのである。

 そこで、「Systemwalker Service Quality Coordinator」で収集したデータを詳細に調べたところ、CPUの使用率が高騰している時間帯では、ハイエンドマシン移行時と比べ、夜間バッチ処理でCPUを使用していたことが判明した。

変化を捉えたトラブル予兆の検知

的確な対処により、トラブルを未然に防止

 移行時と比べて夜間バッチの処理時間が1.5倍に増えていたのである。そして、その時点ではまだ夜間のうちにバッチ処理が終了していたためトラブルにはいたらなかったが、年末の繁忙期には処理量が増えて夜間のうちに処理が終わらず、昼間の業務に支障をきたす恐れもあるということが判明したのだ。

トラブルの原因の早期特定

 そこで、A社は将来的な業務負荷の増大を予測したうえで、CPUの追加を決断した。その結果、対処前にはピーク時 90%を超えていたCPU負荷が、70%以下に抑制するとともに夜間バッチ業務の処理時間短縮に成功。また、詳細な性能情報の解析から、処理量の増加にともなうトラフィック量の増加を事前に把握することができた。

対処の効果

 このように、A社はトラブルの予兆を把握するとともに、根本的な原因を究明し、的確な対応を実現した。堀江氏は、「Systemwalker Service Quality Coordinatorを利用することで、将来的なシステム負荷の増大も想定に入れた、抜本的な対策を策定することが可能になります」と語っている。


SLAの遵守状況が確認可能に

 サービスレベルの見える化は、性能の把握だけでは実現できない。SLA(Service Level Agreement)では、サーバ稼働率やトラブルの回復時間など、性能以外の項目も多いからだ。そこで、性能を含めてこれらのデータを自動的に収集し、一元的に管理。さらに、それらを容易に確認・分析できるしくみが必要になる。

 これを実現するのが、「Systemwalker Availability View」である。これは、さまざまな角度から収集してきた情報を、サービスレベルの観点で一定の水準に保たれているかどうかを、分かりやすくレポートする機能を提供する。

 また、一定期間ごとにSLAを満たしているかどうかを確認することもできる。クリアできそうにない項目を事前に察知し、対応することが可能になった。

 堀江氏は、「この機能を利用することによって、例えば月の半ばで、当該月にSLAをクリアできるかどうかを予測できるようになります。それぞれの項目について良否を一目でわかるように表示するので、目標が達成できそうにない項目を事前に察知し対策を講じるなど、SLAの遵守を強力にサポートします」と語っている。

サービスレベルの評価

 このように、「Systemwalker Service Quality Coordinator」と「Systemwalker Availability View」を利用することで、さまざまな角度から「サービスレベルの見える化」を実現し、トラブルを未然に防ぐことが可能になる。

 次回は、システム全体の見える化について詳しく紹介する。

News!
Systemwalkerによる「見える化」から始める運用の改善
セミナーITILの 実践!見える化から始める「運用の改善」
ITproについて会員登録・メールマガジン購読ITproプレミアム(有料サービス)MyITproについてITpro Researchについて
ITproへのお問い合わせ・ご意見日経BP書店日経BPケータイメニュー広告について
著作権リンクについて|個人情報保護方針/ネットにおける情報収集/個人情報の共同利用についてサイトマップ
プライバシーマーク

日経BP社Copyright (C) 1995-2009 Nikkei Business Publications, Inc. All rights reserved.
このページに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。著作権は日経BP社,またはその情報提供者に帰属します。
掲載している情報は,記事執筆時点のものです。