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富士通SystemwalkerでIT全般統制を支援! ITILに基づく統合運用管理で確実なITガバナンス
Vol.6:事例紹介:ITILに基づく運用管理を効率的に実現

これまで5回にわたって、IT全般統制を確実に、効率よく進めていくポイントと、それを実現するために有効な、富士通のITILに基づく統合運用管理ソフトウェア「Systemwalker」について紹介してきた。そこで今回は、この「Systemwalker」を利用して大規模システムを運用している事例として、富士通の基幹情報システムを紹介する。運用を担当する富山富士通 第二IDCサービス統括部 統括部長 別府三男氏と岩木教人氏、および富士通 コーポレートIT推進本部 担当部長 中野賢一氏に話を聞いた。


止められない基幹情報システムの運用管理をSystemwalkerで統一
株式会社富山富士通 第二IDCサービス統括部 統括部長 別府 三男氏

 富士通の基幹情報システムは、運用メイン、運用サブ、開発、バックアップの4つのセンターがあり、受注や製造、出荷、開発などあらゆる業務で利用されている。

 この富士通のビジネスを支えるシステムは、メインフレーム数台、UNIX/Linux/Windowsの混在するオープン系サーバが千数百台稼働する極めて大規模なシステムだ。もちろんグローバルにビジネスを展開する同社の基幹情報システムは、24時間365日無停止でサービスを提供し続けなければならない。

 そのため、確実で効率的な運用を実現するしくみの構築に取り組み、従来は、独自開発の運用管理ツールを主体として、それに「Systemwalker」を組み合わせる形で運用を行ってきた。しかし、独自ツールではメンテナンス費用が膨大にかかるため、ITILに基づく運用管理が可能な「Systemwalker」への統一を決定。製品開発者とセンター運用スタッフで新機能に関する検討会を重ね、2006年より本格導入を開始した。

 そのねらいについて別府氏は、「独自ツールにかかるメンテナンス費用を削減するだけでなく、『Systemwalker』をもっと活用することによって、現場の声をフィードバックし、よりよい製品として世の中に提供することも目指しました」と語っている。

 現在センターで導入している「Systemwalker」は、下図の赤枠製品である。

社内システムセンターの概要


 今回は、IT全般統制に大きく寄与する、ITILに基づく統合運用管理「Systemwalker Centric Manager」と、キャパシティ管理「Systemwalker Service Quality Coordinator」について紹介する。

システム全体を同一レベルで一括管理
株式会社富山富士通 第二IDCサービス統括部 センター計画部 岩木 教人氏

 ノンストップで動かし続けなければならない大規模システムにとって、サーバの死活監視は基本である。それを実現しているのが「Systemwalker Centric Manager」であり、それに加えて、システムが発するメッセージ監視やプロセス監視、インシデント連携なども行っている。

「Systemwalker Centric Manager」は、メインフレーム環境からオープン環境までを単一の画面で監視可能で、このようなマルチプラットフォームな大規模システムの統合管理に極めて効果的だ。

 富士通では、「Systemwalker Centric Manager」を10年以上前から導入し、監視に活用していた。ただし、以前はシステムごとに監視を行っており、独自ツールも使っていた。そのため、ツールによって利用できる機能が異なり、統制の観点から問題視されていた。また、運用もシステムごとに行う必要があり、その負担は限界に達していたという。

 そこで、「Systemwalker Centric Manager V13」により全サーバを統合的に監視できるよう移行を開始した。移行作業を担当した岩木氏は、「止められないシステムで移行作業を行うのは非常に大変でした。これまでの運用管理ソフトは、それぞれのシステムが開発された時期によって異なるバージョンが導入されていたため、バージョンを合わせるための移行作業等が発生していたためです。しかし、「Systemwalker」の場合は、異なるバージョンであっても継続して運用ができるようになり、運用負荷がかなり軽減され、大変助かりました」と語っている。

「Systemwalker Centric Manager V13」によるシステムの統合監視を実現したメリットについて岩木氏は、「全システムが同じレベルで監視できるようになり、手間をかけずに必要な情報を、もれなく取得可能になりました。これは、ITに対する確実な統制には欠かせません。また、従来では把握することが難しかったシステム全体の状態が容易に見えるようになったことは、このような大規模システムを運用する上で、極めて有効です」と言う。

 さらに、インシデントの自動発行やトラブル対応手順を管理するシステムと連携させることにより、トラブル発生時の迅速な対応が可能になり、対応漏れもなくなった。

「Systemwalker Centric Manager」の監視画面


サービス低下の予兆を捉え、事前の対応が可能に

 一方の「Systemwalker Service Quality Coordinator」は、システムのキャパシティの管理を支援するソフトウェア。UNIX、Linux、Windowsサーバなど特に重要な約250台の詳細な情報を取得し、サービス品質の維持とシステムの最適化に貢献している。

 従来、担当者それぞれのスキルややり方に依存していたため、担当者によって、取得する性能情報がまちまちで、分析・評価の方法も異なっていた。これでは、統制がとれたシステム運用とはとても言えない。

 そこで、「Systemwalker Service Quality Coordinator」を導入。いつでも簡単に性能情報を確認できるので、変化を事前にキャッチアップできるほか、予兆を捉えてトラブルを未然に防いだり、キャパシティプランニングを行えるようになるなど、より高度に統制された運用管理が可能になった。

 既にいくつかの効果が現れていると、岩木氏は具体例を挙げながら次のように語る。「常にリソースの利用状況などの性能情報を確認することができるので、ユーザーが体感する前に資源不足を発見し、メモリを増設することでサービス低下を事前に回避できたということも実際にありました。また、性能低下時に何が問題かをドリルダウンして追求することで、性能低下の根本原因を究明できたこともあります。これにより、従来では限界だと思っていたキャパシティに大幅な余裕があることがわかり、機器の増設が不要になったこともありました」

「Systemwalker Service Quality Coordinator」は、システムの性能情報を取りこぼしなく取得でき、それら情報の分析評価の方法を標準化できるため、統制のレベルが大幅に向上する。性能情報は自動的に取得されてグラフ表示されるため、管理者が性能情報を取得し加工・分析する手間が大幅に削減。従来、運用にかかっていた時間を、本来業務である企画や開発に振り分けることが可能になった。

 さらに、性能情報の取得のために各業務サーバにアクセスすることもなくなり、セキュリティ的にも安心。今後適用サーバを増やし、監視する予定だ。

「Systemwalker Service Quality Coordinator」のレポート画面


基幹情報システムの挙動を研究することで、製品開発や機能強化につなげる
富士通株式会社 コーポレートIT推進本部 システム技術統括部 SOAプロジェクト室 担当部長 中野 賢一氏

 富士通の基幹情報システムは、月に延べ10万人が利用する大規模システムだ。現在富士通では、この性能情報を富士通研究所で再現し、挙動を解析・研究することで、わかってきたことを順次「Systemwalker」を始めとする製品に反映させているという。

 中野氏は、「こうした研究の成果が、たとえば『Systemwalker Service Quality Coordinator』が収集した性能情報を効果的に活用するための新たなソリューションの開発につながっています。さらに、ネットワーク監視では、パケットロスの大きいセグメントから、業務の性能への影響を判断して、未然にネットワークを最適化する技術を研究しています。このような研究を続けることで、製品の機能を向上させ、それにより自社システムの品質も高まるという、極めてよい循環が生まれています」と語っている。

「Systemwalker」への統一により、効率的で統制の取れたシステム運用を実現した富士通の基幹情報システムだが、さらなる機能強化も検討中だ。その構想について別府氏は、「現在、各サーバに対してばらばらに管理している構成図、ソフトウェア構成、ラックの位置や配線、費用管理など関係資料類を、統合的に管理したいと考えています。そして、そこから得られた情報を元に、導入から運用、拡張などのプロセスも申請・承認などを含めて一元管理し、ひとつの仕組みで構成管理をすべて行えるようにする予定です」と語る。

 これらの新たな取り組みを通して、「Systemwalker」はさらなる進化を遂げるはずだ。より確実で効率を高めたIT全般統制の実現へ向けて、これからも富士通と「Systemwalker」の挑戦は続く。

 

 

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