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NGN Summit レビュー

シスコシステムズ

IP Next-Generation Network(IP NGN)――。シスコは、NGN をこのように呼ぶ。テクノロジーや製品の開発でインターネットの発展に主導的な役割を果たしてきた同社は、これからのネットワークは「人々に新しい生活体験をもたらすプラットフォームになる」と見ている。それを実現するのが、ヒューマンネットワークとしてのIP NGN である。

堤 浩幸氏 シスコシステムズ
マネージングディレクター
サービスプロバイダー営業担当
堤 浩幸氏

人々に新しい生活体験をもたらすヒューマンネットワークとしてのIP NGN

まずセッションの冒頭で、IP NGNを簡潔に説明する短いイメージビデオが流れた。それに続いて、シスコシステムズの堤浩幸氏は「IP NGNとは、顧客をサービスに、サービスをネットワークに、ネットワークをネットワークにつなぐものです」と説明した。さらに、2004年12月という早い時期から、同社がIP NGNのコンセプトを発表していたことに言及。このコンセプトには、すべてのサービスを1つのIPベースのネットワーク上で提供するネットワークコンバージェンスをはじめ、ケーブル、セキュリティ、ビデオと、IPTV の各アプリケーションが含まれていた。

それから3年近くが経過した現在、想定していたアプリケーションに加えて、広域イーサネット・サービスや様々なサービスへの対応が求められている。「IP NGNは、こうしたインフラに付随するサービスやアプリケーション、コアからエッジ、アグリゲーション、そしてコンシューマーまでを統合するエンド ツー エンドのソリューションにまで発展しています」と、堤氏は言う。

IP NGNを具現化する製品群とパートナーシップ

IP NGNの機能面での最大の特徴は、現在の様々なネットワークが持つ優れた点を1 つに集約・統合している点にある。イーサネットの拡張性とプライベートネットワークの安全性を兼ね備えているのに加えて、公衆(電話)網並みに信頼性が高い。インターネットでの大容量のコンテンツ配信や、ケーブルネットワークでのビデオ配信などに利用する広帯域光ネットワークとしても、モバイルのアクセスネットワークとしても利用できる。

その結果IP NGNは、エンドユーザーの多岐にわたる要求にも十分に応えられるものとなっている。例えば、ユニファイド コミュニケーション、GPSによる位置情報の取得、映像サービス、音楽やゲームのダウンロード、自宅から勤務先やストレージサービスへの接続といった使い方である。「ビジネスの世界でも、テキストや音声によるチャット、ビデオ会議やテレプレゼンス(臨場感を伴うシスコのリアルタイム会議ソリューション)、スケジュール共有などを実現できます」と堤氏は付け加える。

このように多彩な機能を実現するために、シスコは既にアクションを開始している。まずコア、エッジ、アグリゲーションから顧客宅内機器用のルーターおよびスイッチといった、既に市場で実績を持つ製品によって、エンド ツー エンドでのNGNインフラの実現に対応している。このほかにもNGN環境を生かす鍵となるハードウエアからアプリケーションまでを幅広く提供し、NGN時代の通信事業者や企業を支援する体制を整えている。

また、シスコはIPの専門技術と経験を持つパートナー企業との協業やM&Aによって、最先端の技術を素早く市場に投入してきた。2007年8月20日には、マイクロソフトと「ITアーキテクチャ」「セキュリティ」「管理」「無線とモバイル」「ユニファイドコミュニケーションズ」などの分野で、協業を進めることで合意した。さらに、9月25日には中国の大手家電メーカーである海爾集団(ハイアール)とも提携し、家庭用ネット機器の開発などで広く相互協力することで、IPを生かした新しい市場の開拓も目指している。

Cisco IP NGN アーキテクチャ サービスコンバージェンス
4つの層から構成されるIP NGN。シスコはサービスレイヤーにおけるエクスチェンジに力を入れていく

サービスレイヤーでの交換機能に的を絞る

アーキテクチャとしてのIP NGNは、基盤となるネットワーク、サービス、アプリケーション、そしてオペレーションの4 つのレイヤーで構成されている。中間に置かれたサービスレイヤーは、あらゆるコミュニケーションを1 つに融合し、音声・データ・映像・モビリティソリューションをエンド ツー エンドで提供できるQuad Play(クワッドプレイ)やAny Play(エニープレイ)を実現するためのオープンなフレームワークとして、上下レイヤー間でサービスを交換する役割を果たすという構図だ。

シスコのIP NGNは、このサービス交換の処理(サービスエクスチェンジ)を行うレイヤーを提供する。「サービスエクスチェンジは、ハードウエアでもあり、ソフトウエアでもあります。ハードウエアとしては加入者のアクセスポイントとバックボーンの接続や自動帯域制御を行い、ソフトウエアとしては課金アプリケーションやネットワーク管理ソフトウエアなどを組み込むことができます」(堤氏)。バックボーンから先の接続先としては、マルチメディアサービスを提供するコンテンツデリバリー・ネットワークのほか、インターネットと公衆電話網が想定されている。

日常の新しい体験でよりよい社会を創造

IP NGNは、既に世界の通信事業者で実際に使われ始めている。このセッションでは、コアルーターであるCRS-1を利用したフランスのIPTVネットワーク企業、マネージドサービスを実現するAT&T、テレプレゼンスを提供するベルカナダなど、海外企業の事例も取り上げた。また、Comcast(北米)、British Telecom(英国)、ドイツテレコム、PCCW(香港)、中国移動通信、中国網絡通信などの通信事業者も、IP NGNを一部導入済みとのことである。

セッションを締めくくるにあたって、堤氏は「シスコは、インフラだけの構築をターゲットとしていません。目指すのは、ヒューマンネットワークなのです」と語った。そのうえで、IP NGN時代に同社が果たす役割を4つのキーワードで示した。「プラットフォームとしてのネットワーク」が「ヒューマンネットワーク」を実現し、そこで提供されるサービスの形態がエンド ツー エンドの「Quad PlayやAny Play」というものである。最終的な目標は、「日常の新しい体験」によって人々の生活を向上させ、生活を支えるプラットフォームを提供することによって、よりよい社会を創造することだ。

「シスコは、インフラだけでなく、サービスとその上のアプリケーションをパートナー企業と一緒に作っていこうと考えています」と堤氏。シスコの提唱するIP NGNは、新たなNGN時代を切り開く強力な尖兵となりそうだ。

シスコの目指す役割
IP NGNにおいてシスコが目指す役割。プラットフォームとしてのネットワークでヒューマンネットワークを実現し、
サービスを通じて人々に日常の新しい体験を与えることにより、よりよい社会を創造していく

シスコシステムズ
シスココンタクトセンター

URL
http://www.cisco.com/jp/go/contactcenter/
TEL
 
0120-933-122(通話料無料)
03-6670-2992(携帯電話、PHS)
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