
第一中央汽船は20年間使い続けたメインフレームを更新,新しい基幹業務システムをWindowsベースで構築することを決定した。2002年に始まり4年を要した大プロジェクトは終了し,今では新システムが順調に稼動している。もし障害が発生すれば業務に大きな影響を与えるだけに,当初は不安もあったという。その不安を払拭したのが,「Windows Server 2003, Enterprise Edition」と「IBMのx86サーバー + Marathon everRun FT(旧:FTvirtual Server)」との組み合わせだった。
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第一中央システムズ株式会社 専務取締役 情報システムグループ部長 増田 晴治氏 |
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第一中央システムズ株式会社 情報システムグループ課長 永田 幸治氏 |
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アジア パシフィック システム総研株式会社 システム・インテグレーション事業本部 システム開発部 第2グループマネージャー 窪田 勝人氏 |
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第一中央汽船は主に不定期船の分野で,内航・外航の海運事業を行っている。鉄鉱石や石炭,原油など,資源・エネルギー関係を中心に,肥料や飼料などの物資輸送を手がけてきた。第一中央汽船は約20年間使い続けてきたメインフレームの基幹業務システムを更新し,2005年12月に新システムを構築した。2006年2月には旧システムを廃棄し,新システムの本格的な運用が始まった。
このプロジェクトで中核的な役割を果たしたのが,同社のグループ会社である第一中央システムズだ。第一中央システムズ専務取締役情報システムグループ部長の増田晴治氏は,この基幹業務システムについて「顧客からの見積要求を受けて見積を提出し,さらに成約から輸送サービスの運航管理,出納,決済までを一貫してサポートするもの」と説明する。
この重要なシステムのプラットフォームとして選ばれたのが,日本IBMが専用モデルとして住商情報システムと共同で販売している,x86サーバーの「xSeries」と「Windows Server 2003, Enterprise Edition」の組み合わせで提供される「Marathon everRun FT(旧:FTvirtual Server)パッケージ」である。UNIX系のプラットフォームなども含めて検討した結果,「運用コストの削減という一番の狙いを実現するためには,Windows系が最適と判断しました」と増田氏は言う。
メインフレームで240万ステップという大規模な旧システムと,ほとんど同じ機能をWindowsベースで実現する。基幹システムに障害が起きれば重大な影響が予想されるだけに,当初は不安がなかったわけではない。
このプロジェクトをSI面でサポートしたアジア パシフィック システム総研システム・インテグレーション事業本部システム開発部第2グループ マネージャーの窪田勝人氏は「東証一部上場会社の基幹システムを,UNIX系ではなく一気にWindowsで構築するのですから,正直言って大丈夫だろうかという気持ちはありました」と打ち明ける。その不安を払拭したのが,汎用IAサーバー2台を用いて完全二重化構成を実現した Marathon everRun FTとWindows Server 2003, Enterprise Editionの組み合わせだった。
プロジェクトが本格的にスタートしたのは,2002年2月。マルチプラットフォーム対応のデータベースを採用したことで,アプリケーション開発を先行させることができた。その後,Marathon everRun FTの採用が決まった。選定理由について,第一中央システムズ情報システムグループ課長の永田幸治氏は「2004年秋に最初にテストしたサーバーが,Marathon everRun FT。その結果が非常に良好で,ほかのサーバーを試すことなく決定しました」と語る。
この基幹サーバには,全社から様々な要求が集中する。中でも,営業部門の「C/B(採算)試算表」処理,「配船予定表」のオンデマンド処理のレスポンスは,非常に重要。また,80程度の同時アクセスに耐えられる性能も求められていた。Marathon everRun FTとWindows Server 2003, Enterprise Editionなどを組み合わせることで,これらの要件を満たす新システムが完成。4年をかけた大プロジェクトだった。
稼動後の状況については,「特に問題は起きていません」と増田氏。では,一番の狙いだった運用コストの削減はどの程度まで実現できたのだろうか。増田氏が続ける。
「これまで7人いた運用要員は5人になりました。また,機器,ソフトのサポート料も大幅に低下しています。加えて,今後はプログラム修正も内部で対応できるようになります。さらに,Windowsベースの安価なミドルウエアなどを容易に手に入れることもできる。その効果は今後,徐々に現れるでしょう」
その口調からは,運用コスト削減という重要課題に対して一定の成果を上げることができた安堵感がうかがえる。コスト削減だけでなく,環境変化への素早い対応が可能になった新基幹システムは,今後第一中央汽船のビジネスに大きなメリットを提供することだろう。































