
地域の交通機関として乗客の利便性向上を目指す奈良交通は,2004年に独自のプリペイドICカード「CI-CA(シーカ)」を導入した。その利用者の予想以上の増加に対応して,新たなプラットフォームへのシステム移行を検討。そこで採用したのが,OSとして「Windows Server 2003, Enterprise Edition」を搭載した富士通の高信頼FTモデル「PRIMERGY TX200FT S2」。新システムは2006年5月に稼動した。可用性の高いプラットフォームで安心感が増しただけでなく,システムの運用負荷が半減するなど大きな効果を上げている。
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奈良交通株式会社 経営企画部 課長 岡田 泰樹氏 |
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奈良交通株式会社 経営企画部 西本 敬行氏 |
奈良県を中心に路線バスや観光バス,貸切バスなどの運送事業,旅行事業や不動産事業などを行っている奈良交通。運行路線数は184路線に上り,地域に欠かせない交通機関として重要な役割を担っている。
同社が独自のICカード乗車券「CI-CA(シーカ)」を導入したのは,2004年12月のことである。CI-CAにはプリペイド券と定期券の機能がある。乗客がバス内の読み取り機にCI-CAを当てるだけで運賃を精算でき,残額が減れば簡単にチャージできる。こうした利便性が支持されて,CI-CAの発行枚数は既に16万枚に達した。
「予測を大きく上回るペースで,CI-CAの発行枚数は増えています。それに伴い,以前のサーバーの能力に不安を感じるようになりました」と,同社経営企画部課長の岡田泰樹氏は語る。
CI-CAシステムはスタート当初から,通常のIAサーバー2台を本番系と待機系に分けて利用していた。万一本番系がダウンした場合には,手動で待機系に切り替えるという運用。これまでシステムダウンはなかったものの,今後さらにCI-CA発行枚数が増えるとサーバーへの負荷は大きくなる。
もしサーバーがダウンすれば,その間の発券窓口の業務がストップするため早急な対策が求められていた。そこで高性能で可用性の高いハードウエアとして選ばれたのが,富士通のフォルトトレラント(FT)モデル「PRIMERGY TX200FT S2」。搭載しているOSは「Windows Server 2003, Enterprise Edition」である。
「システムを冗長化する場合には,クラスタリング構成も考えられますが,それと比べると1台のFTモデルで1つの仮想OSを使う方が運用しやすい。ミラーリングを意識しなくても,FTモデルの中で自動的に同期をとってくれますからね」と経営企画部の西本敬行氏は説明する。
完全冗長構成のPRIMERGY TX200FT S2の中では,2台のサーバーが同期して動いている。一方に障害が発生しても,障害サーバーを瞬時に切り離してもう一方のサーバーが処理を継続する仕組みになっている。「安心感は高いですね。ピーク時には20台程度の端末から同時アクセスがありますが,問題はありません」と岡田氏は語る。
2006年5月に,PRIMERGY TX200FT S2は稼動を始めた。ここには,データベースやアプリケーションなどCI-CAシステムのすべてが搭載されている。旧システムからの移行は「非常にスムーズで,2〜3日で完了しました」(西本氏)とのこと。西本氏によると,移行後に運用の負荷は目に見えて減ったという。
「以前は,本番系に何かあったとき,できるだけ早く待機系を立ち上げられるよう,2台のサーバーを同じ状態にしておく必要がありました。今では1台だけを見ていればいいので,運用の負荷は半分になりました」
奈良交通は今後も,積極的なIT投資でサービスや業務効率の向上を図ろうとしている。現在準備中なのが,後払い方式のICカード「PiTaPa」への対応。PiTaPaは西日本の交通機関や店舗などを中心に利用が広がっており,同社は乗客の利便性を高めるため,その対応システム構築を急いでいる。また,CI-CAシステムに蓄積された乗降データの有効活用も検討している。
「CI-CAサーバーに入っているデータを別のサーバーに流し込んで細かく分析し,より適切なダイヤ改正などにつなげていきたい」と岡田氏。信頼性の高いPRIMERGY TX200FT S2をベースにして,ビジネスに直結するIT展開が期待されるところだ。






























