総合人材サービス企業大手のマンパワー・ジャパンでは,新たにテクニカルアウトソーシング分野に特化したソリューションを提供する「マンパワービジネスソリューション」を開始した。すでにグローバルパートナーシップを締結する顧客に対し,様々なアウトソーシング・プロジェクトにおける人材資源の最適化を支援している。ここでは,そのビジネスを牽引する同社のキーマン2人に話を聞いた。

マンパワービジネスソリューション事業部
事業部長
松永 信 氏
── 新たな事業を開始されたと聞きましたが,どのようなビジネスなのでしょうか。
松永■従来の人材派遣・紹介事業に加え,新たなサービスラインとして,テクニカルアウトソーシング分野に特化した「マンパワービジネスソリューション」を開始しました。具体的には,システムオペレーションや運用マネージドサービス,エンドユーザーサービスといったテクニカルアウトソーシングサービスを,人材資源の活用というマンパワー独自の視点で最適化するソリューションサービスです。目的は,戦略的なパートナーとしてお客様のビジネスをよく理解し,必要な人材確保のプロセスとパフォーマンスの最適化,プロジェクトマネジメントまで,全てのフェーズに対応する統合的サービスを提供することにあります。
── 事業を開始された背景について教えてください。
パット■当社はグローバルで,人材派遣事業,人材紹介事業,そして,このマンパワービジネスソリューションを事業の3つの柱としています。マンパワービジネスソリューション事業は,約10年前にヨーロッパで開始されました。もともとは優れたパートナーシップのある数多くのお客様からの「人材資源をもっと有効に活用できるソリューションを提供して欲しい」というニーズに対応する形で始まりました。そして日本でも,様々なお客様からのニーズに応えるため,この3つ目の事業をスタートさせたのです。
松永■社内外を問わず,人材の有効な活用は,企業の生産性向上とビジネスの成長に欠かせません。マンパワービジネスソリューションは,お客様の成功を人材活用の視点で考え,人材資源の最適化により生産性向上を実現します。これが,私たちの「ヒューマン・キャピタル・バリュー・チェーン」というコンセプトが提供する優れたバリューです(図参照)。

── どのようなサービス形態になるのでしょうか。
松永■まずプロジェクトの調査分析を行い,プロジェクト体制や契約形態に即したコンプライアンスソリューションの提供を行います。また,同時に最適な人材配置と要員計画を実施して,コストセービングと生産性向上を実現します。これまでIT業界では見過ごされてきましたが,アウトソーシング・プロジェクトにおけるコンプライアンスと就業環境の整備は,すでに必要不可欠な要素となっています。

アジア・パシフィック
インプリメンテーションディレクター
パット・ドーキンス氏
── どういった企業にサービスを提供しているのですか。
松永■日本においては,すでにグローバルでサービスを提供しているIBMに対してサービスの提供を開始し,数多くのプロジェクトを当社で担当しています。
パット■グローバルではIBMをはじめ,非常に多くのお客様がマンパワーを戦略的パートナーとして評価しており,お客様からの要求に応じ,他のサプライヤーのマネジメントを手がける事例が増えています。それはお客様の購買管理業務を軽減すると共に,供給体制の構築についてマンパワーが責任を持つということです。日本においても,グローバルのスキームを日本の法律や商習慣に適合する方法で導入したいと考えています。
── 今後は,日本においてどのようにビジネスを拡大していく予定でしょうか。
パット■このサービスは,新しい視点のソリューションであり,マーケットに対する非常にチャレンジャブルな取り組みでもあります。優れたソリューションを生み出すためには,革新的で新しい発想が必要ですが,グローバルには多くの成功事例があり,そのノウハウも活用できます。また,お客様の戦略的パートナーとなるためには,非常に優れたパートナーシップが必要です。幸いマンパワーは数多くのお客様と信頼関係を構築することができました。まずは,そうしたお客様へ,このサービスを提案していきたいと考えています。
松永■日本でも,3年でこのビジネスを軌道に乗せ,人材派遣事業,人材紹介事業と並ぶ当社のビジネスの柱とするのが目標です。
── つねに最適なサービスを提供するためには,人材教育がカギを握りそうです。
パット■その通りです。これまでも,当社はエンジニアの育成に真剣に取り組んできました。世界各国にトレーニングセンターを設置し,オンラインキャンパスなどの教育プログラムも幅広く実施しています。また,お客様から要求されるスキルセットは国ごとに異なります。ですから各国の事情に合わせ,最適な教育を行う必要があります。日本の場合は,求められるスキルレベルの高さが際立っています。
松永■加えて,計画的なジョブローテーションによるエンジニアのスキルアップも推進しています。日本のアウトソーシング・プロジェクトでは,エンジニアの特定業務へのアサインが長くなり過ぎる傾向があります。それは業務知識とスキルの属人化を招き,結果的にプロジェクト安定稼働のリスクへと発展します。エンジニアにとってもスキルアップとキャリアパスの阻害要因となっています。しかし,当社の広範な事業規模と人材育成の仕組みを活用すれば,エンジニアは様々な形でスキルアップとキャリアパスを進む機会を得ることが可能です。結果として,マンパワーがアウトソーシングサービスを必要とするお客様に対し,高品質のサービスを提供することにつながります。つまり,当社の提供するマンパワービジネスソリューションは,エンジニアとお客様,両者の幸せと成功を実現できるビジネスなのです。
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2006年、マンパワーはIBMとプレミアムコアパートナーの契約を締結しました。 |
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