IT Pro Special いまさら人に聞けない「IP電話講座」〜これからの主流はIPコミュニケーション!〜
ポイント
IPコミュニケーションを実現するためのメカニズムは,IPフォンと電話をコントロールするコールマネージャー,そして外線電話とつなぐためのゲートウェイで構成されている。これらを既存ネットワークに接続することで容易にシステム構築ができる。詳しくは
コールマネージャーは1カ所から複数拠点のIPフォンを制御できるため,各拠点にPBXを設置する必要がある従来型の電話システムよりも投資を抑制でき,スペースの削減,運用管理の集中化も可能となる。詳しくは
IPフォンの製品ラインアップも充実してきており,最近では無線LAN経由で利用できる無線IPフォンも登場するとともに,パソコンにインストールして利用するソフトフォンも出回っている。詳しくは
通話品質や機能,信頼性に関しても十分な能力を持っており,複数のコールマネージャーを組み合わせた冗長化構成にすれば,より高い信頼性を確保できる。詳しくは


第1回 IPコミュニケーションがもたらす数々のメリット
第2回 IPコミュニケーションに必要なメカニズム
第3回 電話の可能性を広げるユニファイドコミュニケーション
第4回 生産性を飛躍的に高めるコミュニケーションの変革



関連リンク


CISCO SYSTEMS IP電話スタート


第2回 IPコミュニケーションに必要なメカニズム〜システム構成はシンプル,管理の集中化も可能〜
佐藤室長と鈴木課長
IPコミュニケーションには大きな魅力があることを理解した佐藤室長。その導入にも乗り気になってきたようだ。そこで気になり始めたのがIPコミュニケーションを実現するためのメカニズム。また,導入を成功させるために留意すべき点なども知っておく必要がある。佐藤室長から鈴木課長に投げかけられる質問は,より深く,具体的な内容へと踏み込んできた。



意外とシンプルなIPコミュニケーションのメカニズム
佐藤室長 佐藤室長: IPコミュニケーションには実にさまざまなメリットがあるんだね。ところでこれを実際に導入するには,どういった仕組みが必要なんだろう。  
  鈴木課長: そんなに複雑な仕組みは必要ありません。まず必要なのはIPフォン,それからIPフォンの機能をコントロールする機械です。IPフォンから他のIPフォンに電話をかけるために必要な制御のことを“呼制御”というんですが,これまでの電話システムではこれをPBXが担当していました。IPコミュニケーションでは一般に“コールマネージャー”と呼ばれるサーバーがこの機能を提供します。さらに“ボイスゲートウェイ”という機械を入れれば,外線電話(公衆回線網)とのやり取りも可能になります。  
  佐藤室長: それだけでいいのか。意外とシンプルなものなんだね。  
  鈴木課長: そうですね,私が説明しているのはシスコシステムズのIPコミュニケーションですが,基本的な構成は実に簡単です。またシスコシステムズのコールマネージャーなら1つの拠点内だけではなく,広域ネットワーク(WAN)を介したIPフォンもコントロールできるので,複数拠点でのIPフォン利用もコールマネージャーを1カ所に導入するだけでOKです。これもPBXとは大きな違いです。 鈴木課長
  佐藤室長: PBXでは複数拠点にまたがる呼制御はできないの?  
  鈴木課長: そうです。PBXは基本的に導入した拠点の呼制御しか行いません。拠点が複数にまたがる場合には,それぞれの拠点にPBXを導入する必要があります。  
  佐藤室長: PBXでは拠点数が多くなると,投資コストもかさむということだな。  
  鈴木課長: それだけではなく,それぞれの拠点に出向く必要があるため,運用管理にも手間がかかります。1カ所で複数拠点をコントロールできるというのは,IPコミュニケーションの魅力の1つだと思います。  
図3

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多様化するIPフォン,無線LANに対応した製品も登場
  佐藤室長: コールマネージャーを導入すれば,今のIPネットワークにIP電話をつなぐだけで,IPコミュニケーションを実現できるというわけだな。  
  鈴木課長: もちろん,設定をはじめ多少やるべきことはありますが,基本的にはそう考えていただいて問題ありません。ただここで注意していただきたいのは,IP電話にどうやって電源を供給するかということです。できればLANポートから直接電源を供給できる製品を選んだほうが効率的です。電源ケーブルを別につなぐ必要がなく,LANケーブルを接続するだけで使えますから。  
  佐藤室長: 電源供給をLANポートでできるのかい?  
  鈴木課長: シスコシステムズのLANスイッチとIPフォンの組み合わせなら問題なくできます。インラインパワーという機能が装備されていますから。  
  佐藤室長: IPフォンの種類はどうなんだろう。選択肢が少ないと,調達とかニーズへの対応とかが難しくなるからなあ。 佐藤室長
  鈴木課長: その点に関しても問題ないと思います。最近は製品の種類も増えています。例えばシスコシステムズだけでももう7機種以上のモデルがありますし,国内メーカーからもシスコシステムズの仕様に準拠した製品が出荷されています。また昨年は無線IPフォンもリリースされ,携帯電話のようにポケットに入れて無線LAN経由で通話するということも可能になっています。  
  佐藤室長: IP電話を手軽に持ち歩けるのか……。それは便利だ。  
鈴木課長 鈴木課長: パソコンにIPフォンの機能を追加する“ソフトフォン”という製品もあります。ノートパソコンに,マイクとスピーカーがセットになった“ヘッドセット”をつなげて使用するものです。ノートパソコンを持ち歩いている社員なら,こういった新しい形の電話も面白いかもしれません。  
IPフォン写真

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通話品質や機能も十分,高信頼性を確保するための機能も
  佐藤室長: でも,通話品質や機能はどうなのかな。ここがこれまでの電話と比べて劣るようでは,社員から受け入れられないからね。  
  鈴木課長: 通話品質に関しては,IPネットワーク上で末端から末端までの品質管理を行う“QoS(Quality of Service)”という技術が用意されていますので,音声データだけを優先的に伝達し,データ到着までの時間を最小限に抑えるといったことが可能になっています。実際に複数の導入企業が,IPコミュニケーションの音質について「PBXに勝るとも劣らない」と指摘しています。私も一度メーカーのデモで体験したことがありますが,思いのほかいい音質でした。機能面も,PBXが提供している機能の9割以上はコールマネージャーで実現できると言われています。  
  佐藤室長: 信頼性はどうなんだろう。  
鈴木課長 鈴木課長: もちろん,高信頼性を確保するためにさまざまな機能が取り入れられています。例えば複数のコールマネージャーを組み合わせることで冗長化を行うクラスター機能がその代表です。この機能を利用すれば,一部のコールマネージャーがダウンしてもサービスを継続できます。IPネットワークそのものも,シスコシステムズの製品では冗長化や代替パスといった機能が利用できますので,安心です。  
  佐藤室長: なるほど,すぐにでも導入できそうだな。 佐藤室長
  鈴木課長: でも,導入を検討していただけるのであれば,IPコミュニケーションならではのメリットを十分引き出すことも大事です。  
  佐藤室長: IPコミュニケーションならではのメリットとは?  
  鈴木課長: コスト削減やワークスタイルの変革が可能なことはすでにお話しましたが,他にも音声とデータを融合させた新しい仕組みの構築,多様な形態のコミュニケーション手段の統合,マルチチャネルのコンタクトセンターの実現も可能です。  
  佐藤室長: それは面白そうだ。 佐藤室長
鈴木課長 鈴木課長: 実はIPネットワーク上で電話を実現する方法は,これまでにも“IPテレフォニー”というものがありました。文字通りIPとテレフォニー(電話)の組み合わせです。なぜ私が“IPテレフォニー”ではなく“IPコミュニケーション”をお薦めしているのかというと,IPコミュニケーションはIPテレフォニーをベースに,さらに大きな付加価値を提供しているからです。別の言い方をすれば,IPテレフォニーを土台に,電話と各種ITサービスを連携させることができる点こそ,IPコミュニケーションの本質なのです。  
  佐藤室長: なるほどね。IPコミュニケーションの戦略的な導入を行うために,その本質についての話もぜひ聞きたいね。  

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Ciscoのテクノロジー
IPコミュニケーションを実現するためのシステム構成は,ここで紹介したように実にシンプルです。またコールマネージャーはIPネットワークがつながっていれば,複数拠点のIPフォンを制御することもできるため,拠点数が多い場合にはPBXよりも導入すべき機器数は少なくなる傾向にあります。もちろんIPフォンを安心して実用レベルで利用するには,高い通話品質の提供,PBXで提供されてきた機能の実現,高信頼性の確保が欠かせません。

シスコシステムズではスタンダードに準拠した多岐にわたるテクノロジーを組み合わせることで,この要求にこたえています。そのためPBXからIPコミュニケーションへの移行も,リスクを伴わずに実施できるようになっているのです。

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