

ソフトウェア事業
インフォメーション・マネジメント事業部
事業企画
マーケティング・マネージャー
村田 泰昭 氏
ITがビジネス活動の根幹を担う不可欠なインフラとなるなか,企業の情報システムはますますその複雑さを増し,そこで扱われるデータもさらに膨大なものとなってきている。「IBMでは,SOAの考え方の基本の1つである『IOD(Information On Demand)』という独自のアプローチに基づき,“必要な情報を必要に応じて必要な人に提供するための環境”を実現することで,今日の情報システムをめぐる様々な要請に応えようとしています」と,日本アイ・ビー・エム株式会社(以下,日本IBM) ソフトウェア事業 ソフトウェア テクニカル・セールス&サービス 技術理事の菅原香代子氏は述べる。
2006年7月からIBMが出荷を開始している「DB2 9」は,まさにそうした同社の取り組みの基盤となる「データ・サービス」を担う製品だ。日本IBM ソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント事業部 事業企画 マーケティング・マネージャーの村田泰昭氏は,「DB2 9は,1960年代に登場した階層型データベース,1980年代のRDBに匹敵するデータベーステクノロジーの革新をもたらすもので,まさに第三世代データベースと呼ぶに相応しい製品です」と,その登場がきわめてエポックメーキングなものであることを強調する。
そのポイントとなるのが,従来のリレーショナルデータベース(RDB)の機能に加え,XMLデータのネイティブサポートを実現したハイブリッドデータベースとなっていることである。一般に,RDBにおけるXMLサポートでは,XMLドキュメントを要素・属性ごとに分解してRDBのカラムデータにマッピングして格納する「シュレディング」や,XMLデータをテキストデータとしてそのまま「CLOB」として保管するといった手法が採られてきた。「しかし,シュレディングではデータ変更があるたびにマッピングをやり直さなければならないなど柔軟性が欠如してしまい,またCLOBでは検索が全件処理となるためパフォーマンス上の難点があります」と村田氏は従来手法の問題点を指摘する。
これに対し,近年ではXMLデータの取り扱いに特化した,いわゆるXML専用データベース(XML DB)も数多く市場に投入されてきているが,「やはりスケーラビリティやパフォーマンス,可用性,運用性などの点において,20年来の歴史を持つRDBにはまだまだ及ばない」(村田氏)というのが実情である。加えて,ビジネスデータとXMLの両方を扱うため,ユーザーにはRDBとXML専用データベースの双方に対する二重投資が求められるといった問題もある。
DB2 9はまさに,RDBにおけるXMLサポートやXML DBが抱える以上のような課題を解消する製品として登場した。「DB2 9では,XML DBのテクノロジーを新たに実装することで,RDBとしては初めてXMLデータのネイティブサポート“pureXML”を実現し,W3C準拠のDOMライクなツリー構造をそのまま格納,管理することが可能となっています」と菅原氏は説明する。これにより,XML専用データベースが持つ変更に対する柔軟性や高速検索性が,堅牢性やパフォーマンス,運用性に優れたDB2の環境下において実現されることになり,ユーザーはDB2 9への投資を行うだけで,RDB,XML専用データベースの双方のメリットを最大限に享受できる環境が整っている。
さらにDB2 9では,こうしたRDBとXML専用データベースの融合を開発者サポートの面でも実現している。具体的には,本来はRDB用データ操作言語である「SQL」によって,RDBはもちろん,XMLデータの検索が可能になっているほか,同様にXMLデータベース用のデータ操作言語である「XQuery」でも双方のデータベースの検索が可能となっている。「このため,SQL開発者にもXML開発者にも使い慣れたプログラミングモデルを提供でき,既存のスキルを有効に活かせることもDB2 9の大きな特徴です」と菅原氏は語る。
そのほか,DB2 9では従来からのRDBの基本機能も大幅に拡張されている。例えば,2002年から実装が始まったオートノミック機能の拡張の一環で,メモリーやI/Oのセルフ・チューニング機能が強化された。運用管理作業をDB2が肩がわりし,管理者の負担をさらに軽くする。あるいはテーブルパーティションのサポートや各種上限値の拡大によるスケーラビリティの向上,マイクロソフトのVisual Studio 2005への対応強化とEclipseのサポートにより,.NETとJavaの両方の開発環境に対応し,開発生産性の向上などを実現。「また,ディスクやメモリー,バックアップファイルなどの容量を30〜40%削減可能な『データ圧縮機能』も搭載,懸念されるパフォーマンス劣化もほとんどなく,大きなTCO削減効果が期待できます」と村田氏。さらに,昨今とりわけ重要性を増すセキュリティに関しては,新たに「LBAC(Label Based Access Control)」が新たに装備され,行・列単位でのきわめて細やかなアクセス制御が実現されている(図1)。
以上のようにDB2 9は,RDB,XML DBの双方のメリットを活かしたデータ管理・運用基盤を提供する画期的な製品となっているわけだが,すでに国内のパートナー各社が自社で提供するソリューション・製品におけるDB2 9のXML DB機能への対応を表明している。なかでも株式会社ジャストシステムでは,2005年11月の段階で同社の提供する統合XMLアプリケーション開発・実行環境である「xfy」におけるDB2 9への対応をいち早く表明した。一方,こうしたパートナーの動向にも関連して,IBMでは開発者やパートナー向けの無償版である「DB2 Express-C」のpureXML対応版の同社サイトでの配布も開始している。
菅原氏は「今後,ビジネスや公共などにおけるIT活用のあらゆる局面で,XMLがデータフォーマットの標準を担っていくことは明らかです。既存システムのビジネスデータとXMLデータをシームレスに活用できるハイブリッドデータベースとして生まれ変わったDB2 UDB V8が,新たなアプリケーションエリアを創造していくことになります」と,DB2の持つポテンシャルの大きさをあらためて強調する。
























